海外移住するなら、日本の住民票は除票するべき?
海外移住をする前にまずはじめに判断しなければならない重要なことが、日本の住民票を除票するか否かです。この判断はお金にまつわることに大きく影響します。住民票を除票するということは、日本において非居住者の扱いになることを意味します。
住民票を除票すれば非居住者となり、日本での住民税をはじめとした税金を日本で支払う必要がなくなります。加えて、日本の社会保険料を支払う必要がなくなります。
海外移住の目的が駐在員であれば、日本の健康保険や厚生年金は継続することが一般的ですが、教育移住や事業進出など自ら海外移住した場合、基本的には日本の社会保障制度を活用することができません(国民年金については、強制加入から任意加入となります)。
一方、住民票を除票して非居住者になると、日本の金融機関を使うことが困難になります。一般的には海外移住する前には「海外渡航届」を各金融機関に提出する必要があります。一部の金融機関では、非居住者になっても口座の維持や送金に対応する金融機関もありますが、ごく少数に限られます。
一般的には非居住者に対して金融サービスを行っていないので、もし「海外渡航届」を提出していなくても、その後の銀行間取引で金融機関に非居住者であることがバレてしまって、口座を凍結される可能性もあります。
日本の住民票を除票するか否かについては非常に重要な判断となりますので、専門家の意見も取り入れながら慎重にご判断されることをオススメします。