(※写真はイメージです/PIXTA)

孫と過ごす時間は、多くの祖父母にとって大きな喜びです。誕生日、運動会、週末の来訪。家の中に子どもの声が戻ることは、老後の孤独を和らげるものにもなります。しかし、来訪が頻繁になると、食費や小遣い、送迎、体力面の負担が少しずつ積み重なることがあります。

「にぎやかで幸せ」のはずが…孫の来訪が増えた老後生活

和彦さん(仮名・73歳)と妻の恵子さん(仮名・71歳)は、夫婦で年金月20万円ほどを受け取り、貯金は約1,500万円ありました。

 

住宅ローンは完済済み。贅沢をしなければ、夫婦二人で静かに暮らしていけると思っていました。

 

そんな二人の生活が変わったのは、長男夫婦が近くに引っ越してきてからです。小学生の孫が二人。最初は、週末に顔を見せてくれることが何より嬉しかったといいます。

 

「じいじ、ばあばの家に行きたい」

 

そう言われるたび、恵子さんは好物を用意しました。唐揚げ、カレー、果物、お菓子。帰りには小遣いを渡すこともありました。

 

「来てくれるのが嬉しくて、つい張り切ってしまったんです」

 

ところが、来訪は次第に増えていきました。

 

学校帰りに立ち寄る。休日に朝から預かる。長男夫婦が仕事や用事のある日は、夕食まで面倒を見る。

 

最初は喜びだった時間が、少しずつ負担へ変わっていきました。

 

総務省『家計調査(2025年)』によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯では、可処分所得が月22万1,544円、消費支出が月26万3,979円となっており、平均では毎月赤字です。夫婦の年金月20万円も、決して余裕がある水準ではありません。

 

孫が来るたびに増える食費、光熱費、外出費。小遣いも一回数千円とはいえ、月に何度も重なると無視できません。

 

「孫にお金がかかるなんて言いにくいんです。でも、通帳を見ると確実に減っていて」

 

恵子さんは、そう振り返ります。

 

負担はお金だけではありませんでした。孫たちは元気です。家の中を走り回り、テレビをつけ、ゲームをし、食事のあとには片づけが残ります。

 

和彦さんは、最初こそ笑って見ていましたが、次第に疲れを感じるようになりました。

 

「かわいいんです。でも、帰ったあとにどっと疲れるんです」

 

恵子さんも、孫が来る日は朝から準備に追われました。

 

長男夫婦は悪気なく、「本当に助かる」と言います。その言葉を聞くと、断ることができませんでした。

 

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