(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資で人気があるマンション投資は、部屋単位で購入する区分所有と、マンションやアパートを1棟丸ごと購入する一棟買いに分けられます。それぞれにメリットがあり、資金調達から運用の際のリスクなどに違いがありますので、違いを押さえておきましょう。

1棟ものは収益性が高く、空室リスクも抑えやすい

マンションなどを1棟丸ごと購入する1棟マンション投資は、区分マンション投資と比べてキャッシュフローが大きく異なります。キャッシュフローとは、手元で出入りするお金の流れのことで、具体的には、区分マンション投資より初期投資の金額が大きくなり、月々の家賃収入も大きくなります。

 

また、1棟マンション投資は複数の物件と共有設備を所有するため、管理にかかるお金、エレベーターや外壁などのメンテナンス費用、固定資産税などが発生し、維持していくためのランニングコストも大きくなります。

 

収益性の面では、1棟マンション投資の方が区分マンション投資よりも利回り(投資金額に対する収益の割合)が良いと言われます。また、異なる地域に区分マンションを持つケースと比べると、1棟マンションは所有物件が1カ所にまとまっているということでは、管理の手間も抑えることができます。

周辺環境、自然環境の影響を受けやすい

リスクについては2つの見方ができます。まず、1棟買いは複数の物件を所有しますので、空室リスクが分散できます。区分マンションを1つ持つ場合、その物件が空室になると家賃収入がなくなります。物件が2つあっても、そのうちの1つが空室になれば、家賃収入は2分の1になります。その点、1棟マンション投資は10戸やそれ以上の物件を所有しますので、そのうちの1つが空室になっても家賃収入への影響は小さくなります。

 

もう1つの見方は、所有する物件が1カ所(1棟)に集まっているため、地域環境の変化が大きく影響するリスクです。例えば、自然災害によって建物が損傷した場合、改修費用として大金が必要になるほか、物件そのものの価値が下がり、将来的な売却価格が下がる可能性があります。

 

また、近隣にあった企業、学校、商業施設などがなくなった場合などに、地域の賃貸需要が低下し、家賃相場が下がるかもしれません。地域の人気が下がり、空室率が上がる可能性もあります。もちろん、その逆のパターンとして、地域の人気が上がったり、転入者が増えることなどによって家賃や収益が上がることもありますが、1棟マンション投資はそもそも初期投資が大きく、失敗した時の損失も区分マンション投資と比べて大きくなりやすいため、リスク管理には十分に注意する必要があります。

 

出所:『OWNERS.COM』より
【図表】リスクの比較 出所:『OWNERS.COM』より

まとめ

区分マンション投資は、比較的少額で始めることができるのが特徴。物件によっては数百万円で購入でき、ローンを組まずに始めることもできます。ただし、収益性は1棟マンション投資と比べて見劣りする部分があり、所有物件が少ない場合は空室リスクの影響が大きいのが難点と言えます。

 

一方、1棟マンション投資は、初期費用やランニングコストが大きいため、ローンを組んで始めることが多いといえるでしょう。リスクは大きくなりますが、その分、収益性も上がりやすく、より大きな利益が見込めます。

 

どちらにも投資するメリットはありますが、重要なのは、自分がどんな投資をしたいか踏まえることです。どれくらいのリターンを狙いたいのか、そのために、どれくらいのリスクが取れるのかを検討してみましょう。

 

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※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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