(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産クラウドファンディングは、少額から始められることで話題の投資方法です。国が普及促進を図っているため、市場はさらに拡大すると予想されています。このような話題を耳にして「実際にどのような投資なのか?」「市場規模はどう変化していくのか?」と気になっている人もいるでしょう。そこで本記事では、概要や市場規模を知った上で不動産クラウドファンディングを始められるように解説します。

不動産クラウドファンディングとは

不動産クラウドファンディングとは、不特定多数の投資家からインターネット上で資金を集めて不動産を購入し、その不動産の運用で得た利益を出資者に分配する投資方法です。

 

現物の不動産投資とは違い、まとまった資金がなくても始められるため投資初心者の方に向いています。少額不動産投資のひとつであるREITと異なる点は、REITが1銘柄で複数の物件へ投資することに対し、不動産クラウドファンディングでは1案件で1つの物件に投資する点です。

 

2017年の不動産特定共同事業法の改正により、オンライン上での契約が可能となって以降、不動産クラウドファンディングが注目されています。

不動産クラウドファンディングの現状の市場規模

不動産クラウドファンディングの出資募集額は2019年度で34.2億円、2020年度には85.6億円(前年比2.5倍)となり、市場規模が年々拡大しています。

 

【※引用:国土交通省|不動産特定共同事業(FTK)の利活用促進ハンドブック(P15)】

 

一方でクラウドファンディング以外も含む「不動産特定共同事業」全体においては、2020年度の出資募集額が1,556億円(前年比0.7倍)となりました。

 

事業全体と比較すると、クラウドファンディングのみの方が前年比で伸びているとわかります。

 

【出典:国土交通省|不動産特定共同事業(FTK)の利活用促進ハンドブック(P15)】

不動産クラウドファンディングが注目されている理由

不動産クラウドファンディングが注目されている理由は、金銭面でのメリットや管理の手軽さなどを含め、主に5つあります。

 

①少額から投資が可能でリスク分散できる

クラウドファンディングは複数人から資金を集めて物件を購入するため、少額で始められます。この点が現物不動産投資との大きな違いであり、運営会社や物件によっては1万円からでも投資が可能です。

 

1件あたりが少額のため複数の案件に投資でき、リスクを分散しやすい点がメリットです。

 

②市況に左右されにくく安定的に運用しやすい

同じ少額投資であるREITに比べて、価格変動が少ない点も不動産クラウドファンディングの特徴です。

 

REITは投資信託のため株式市場と連動していますが、クラウドファンディングでは実物の不動産を購入するので、景気の影響を受けにくくなっています。そのため、長期で安定的に運用しやすい投資方法だといえます。

 

③優先劣後方式により損失を抑えられる

不動産クラウドファンディングでは、多くの運営会社が優先劣後方式を採用しています。

 

優先劣後とは、運営会社(劣後出資者)よりも投資家(優先出資者)が優先的に配当を受けられる仕組みです。また、損失の補填には運営会社の出資金から先に充当されるため、投資家のダメージを防ぎやすくなっています。

 

④不動産を管理する手間がかからない

物件の維持・修繕といった管理を運営会社が行う点も、現物不動産投資との違いです。

 

また、入居者の家賃管理やクレーム対応、入退去時のクリーニングなども任せられるので、現物不動産投資に比べると手間がかかりません。そのため、管理に時間を割けない人でも投資しやすくなっています。

 

⑤投資物件を自分で選択できる

不動産クラウドファンディングでは、所在地や築年数などの物件概要を確認した上で、投資する不動産を自分で選べます。物件の特徴をふまえて投資判断ができる点や、投資先に関する透明性の高さがポイントです。

 

この点は投資信託であるREITとの違いであり、REITでは各銘柄に含まれる物件がファンドによって決定されます。

不動産クラウドファンディングの市場規模は拡大すると予測できる理由

不動産クラウドファンディングは国が活用を推進しているほか、海外でも普及していることから、今後も市場規模が拡大すると予測できます。

 

①国が活用を推進している

空き家の活用やまちづくりなどの課題解決のため、昨今では国が不動産クラウドファンディングの活用を推進しています。

 

事業者がクラウドファンディングへ参入しやすくなるよう、地方への専門家派遣や手引書の作成を行っているのが、そのひとつです。さらにクラウドファンディングの活用によってヘルスケア目的の賃貸物件を運用するなど、様々な展開を検討しています。

 

②海外で市場が急速に拡大している

不動産クラウドファンディングを扱うプラットフォームの数は、米国だけで130をすでに超えています。海外では日本に先行して急速に普及しており、この流れに続いて国内の市場規模も拡大していくと考えられるでしょう。

まとめ

不動産クラウドファンディングは少額から始められる上、市況に影響されにくく安定していることで注目されています。また、損失を抑えやすい仕組みが整っている点や、管理の手間がかからないことも人気の理由です。

 

今後も市場規模は拡大していくと予想されるため、まずは実際にプラットフォームを閲覧し、物件をチェックするところから始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

執筆:悠木 まちゃ

ライター・編集者

宅建士・FP3級の資格保有。国立校の建築学科を卒業後、ハウスメーカーに勤務し、営業・設計職を担当。新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの設計などを手掛ける。

その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動。実務経験を活かし、不動産・金融系の分野を中心に記事執筆から編集まで行う。多数の企業メディアで編集を担当するほか、ライター向けオンラインサロンの添削講師としても活動している。

 

 

監修:中村 昌弘

Webライター・編集者

株式会社なかむら編集室 代表取締役

1985年生まれ埼玉県出身。立教大学を卒業後、マンションディベロッパーへ入社。その後は人事コンサル系の会社へ転職し、2016年2月に独立。独立と同時にWebライターをはじめる。SEOライティング × セールスライティング × 書籍編集 × サロン(Webライターラボ)運営など、幅広く活動中。

 

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    ※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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