(※写真はイメージです/PIXTA)

将来のために今から投資を始めておきたいと思う方は少なくありません。しかし綿密な計画を立てておかなければ、貯蓄を減らし続ける事態になることもあります。そこで本記事では、年収700万円の30代男性がマンション投資を始めた際の事例を紹介します。失敗事例を通して、不動産投資を成功に導くポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。

事例の概要

まずは、今回紹介するAさん(仮名)の概要をお伝えします。

 

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【Aさんのプロフィール】

●年齢:30代

●家族構成:独身・男性

●年収:700万円・会社員

 

【購入物件】

●物件種別:中古ワンルームマンション×2戸

●物件所在地:東京23区

●借入金額:約2,100万円×2戸

●借入年数:35年

●家賃設定:月額85,000円×2戸

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30代で独身のAさんは今から老後に備えておこうと考え、不動産投資を始めました。

 

単身者向けなら需要もありそうだと思い、自身にも手が届きそうな中古のワンルームマンションを探します。そこで手頃な価格の物件を見つけ、融資も問題なく受けられるとわかったため、2戸購入しました。

 

これで老後も安泰…と思っていましたが、現実はそううまくはいきません。

経費を差し引くと毎月赤字…貯蓄を減らし続ける事態に

Aさんが物件を購入した後、募集をかけると入居者はすぐに決まりました。計画通りに家賃収入が入るようになり、スタートは順調です。このまま運用していけば資産が増えていく、そう思っていました。

 

しかし、購入から数年経つと状況は一変します。家賃収入から管理費や修繕積立金を差し引き、さらにローンを返済すると、毎月約13,000円のマイナスが発生していたのです。

 

これは、管理費や修繕積立金が購入当時よりも高くなっていたことが原因です。修繕積立金などは年数が経つほど高くなるものですが、Aさんはそれを考慮しておらず、不動産会社からも十分な説明を受けていませんでした。

 

今後、かかる経費はさらに大きくなる可能性があり、赤字が膨らんでいく一方です。「老後安泰のはずが、このままでは結婚もできないのでは…」とAさんは不安を感じています。

収支がマイナスの場合の選択肢

すでに収支がマイナスになっている場合は、早めに対策することが重要です。選択肢としては、主に次の3つが考えられます。

 

●売却する

●繰上返済をする

●収支がプラスになる物件を買い増しする

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

①売却する

不動産投資で赤字を生み出し続ける物件は、売却することが最善の選択肢となる場合もあります。

 

売却する際は、投資用物件に強い不動産会社に相談するのがポイントです。投資家の顧客を多く抱えているので買い手が見つかりやすい上、区分マンションローンを扱う金融機関とも提携していることが多く、話がスムーズに進みやすいです。

 

また、物件を高く売るためには、売却価格を相場よりも少し高めに設定することがポイントです。多くの場合は値引き交渉をされるため、あらかじめ見込んでおくことによって、最終的に希望価格で売ることが可能です。

 

経験豊富な不動産会社であれば、売却価格も相談しながら決められるでしょう。不動産会社にも得意・不得意があるので、自身の条件と合致する会社を選ぶことが重要です。

 

②繰上返済をする

2つ目の選択肢として考えられるのは、現在払っているローンを繰上返済することです。

 

家賃収入から経費やローン返済額を差し引くと赤字になる場合、いずれかの金額を改善しなければなりません。経費を削減することも家賃を上げることも難しい場合は、ローンを繰上返済することで、赤字を解消できます。

 

ローン残高や所有している資産によって変わりますが、たとえば500万円程度の繰上返済をすることで、毎月の収支を数千円のプラスにすることも可能です。

 

また、繰上返済をすると支払う利息を減らせる点もメリットです。ただし一時的に大きな支出を伴うので、家計の状況や将来の計画に応じて、繰上返済を行うか否かを判断しましょう。

 

③収支がプラスになる物件を買い増しする

3つ目の選択肢として、収支がプラスになる物件を買い増しすることが挙げられます。この方法は手持ちの物件の収支を維持しながら、新しく買い増しする物件で大きな利益を得て、赤字を補填するというものです。

 

買い増し物件の選定がポイントで、ローンを組まずに購入できる金額の物件を探す必要があります。たとえば中古物件なら1,000万円以下で購入できる物件も珍しくありません。

 

自己資金のみで購入すると、家賃収入から経費を差し引いた分が全額利益となり、月々数万円の収益が見込めます。この方法であれば、赤字を補填してトータルで収支をプラスにすることも可能でしょう。

 

ただし買い増しにはリスクも伴うため、信頼できる不動産会社へ相談し、綿密な計画を立てることが大切です。

まとめ

今回は失敗事例を通し、不動産投資で収益を上げるための対策を解説しました。収支がマイナスの物件を売却するだけでなく、大きな利益を得られる物件を買い増しして全体で収支を調整する方法もあります。

 

ただし、これらはすでに赤字になっている場合の対策であり、これから投資を始める場合は、少額からスタートすることがおすすめです。

 

一口1万円から出資できる不動産クラウドファンディングもあるので、まずはこのような少額投資から始め、投資経験を積んでいくのもよいでしょう。

 

 

執筆:悠木 まちゃ

ライター・編集者

宅建士・FP3級の資格保有。国立校の建築学科を卒業後、ハウスメーカーに勤務し、営業・設計職を担当。新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの設計などを手掛ける。

その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動。実務経験を活かし、不動産・金融系の分野を中心に記事執筆から編集まで行う。多数の企業メディアで編集を担当するほか、ライター向けオンラインサロンの添削講師としても活動している。

 

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※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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