(※写真はイメージです/PIXTA)

減量で体を絞り「いい体」を作るためには、まず「期限」と「量」が必要です。目標と期間を設定し、それを達成したという経験は残り、それがちょっとした自信につながります。還暦から筋トレを始めた城アラキ氏が著書『負けない筋トレ 還暦から筋トレにハマったら、「肉体」と「人生」が激変した!』(ブックマン社)で解説します。

1ヵ月の減量幅は体重の3%以内

■90日後のイベント

 

もちろん、減量する量と期限は相関関係にある。1㎏を1ヵ月で落とすのと2ヵ月で落とすのでは当然、体への負担も心への負担もずいぶん違う。

 

では減量する量を先に決めるべきか、期限を先に決めるかべきか。これは期限を優先した方がいい。量を先に、たとえば「何が何でも理想体重とされるBMI=22まで体重を落とす」と決めると、計画が過大になり過ぎる。ついつい「じゃぁ1ヵ月で2㎏。2ヵ月なら4㎏。いや待て、1ヵ月で3㎏くらい落とせるんじゃないか」と、希望ばかりが膨らんで、あげく簡単に挫折する。

 

とりあえず期限を切る。後で述べるがこれで自動的に減量幅も決まる。私が成り行きで設定した90日はほどよい期間だ。90日後のイベントのために最高の「いい体」に仕上げると決心してしまおう。結果、何㎏減量できようが、最悪、まったく減量できなくても、その90日間は目的のために努力したという経験として残る。それだけでも大きな刺激になる。

 

とはいえ、還暦過ぎると人生の節目となるようなイベントはたいがい済ませてしまっている。入学式に卒業式や就職、プロポーズに結婚、子どもの結婚式というのもあるが。いやいや還暦過ぎると結婚式に呼ばれるより、葬式の案内の方が増えてくる。

 

女性なら幾つになっても、同窓会で見栄を張るという動機も生まれそうだが、オジサンが絞った体を自慢するとどうなるか。

 

「ずいぶん痩せたねぇ……大丈夫か?」と、小声で囁かれるのが関の山だ。「いや、別に病気ってわけじゃないんだ。実は筋トレを少々」と言っても「まぁ、無理するな。ところでこのサプリ飲んだことあるか? ガンに効くって噂だぞ」となる。

 

ちなみにバーテンダーは女性にはそう言っても、オヤジには「痩せましたね」と言わぬがサービスの基本である。還暦過ぎると、本当に病気痩せのことも多いからだ。

 

ワンサイズダウンの服を買ってしまうとか、ひとり旅の予定を入れるとか、友達とお高いレストランを予約するとか、お祝いの日のためにヴィンテージのシャンパーニュを買うとか、女子のような目標設定には少し違和感がある。

 

私の場合は「連載を脱稿するまでに腹筋を割る」と、周囲に宣言してしまったのでもう後戻りはできない。おかげで、外食の打ち合わせで食事の量を減らしても、その打ち合わせの店に鶏肉料理ばかりを強く主張しても、鰻屋で鰻重を頼んで「すみません、ご飯は半分ね」と、女子のように言っても「しょうがない、減量に付き合ってあげましょうか」と先方も納得する。

 

そう。誰かに決意表明をすることはいいことかもしれない。言われた相手はオヤジが何をバカなことをと、ただ聞き流して忘れるが、言った本人には意外に枷となる。クリスマスでも誕生日でもなんでもいい。3ヵ月先のカレンダーにクルッとしるしを付け、日付を切って宣言してしまうことだ。

 

■目標の意味

 

減量目標の話ではないが、若い友人のお父さんの例を挙げよう。メーカーのサラリーマン生活を終え、突然「猟師になる」宣言をして家族を驚かせた。実は誰にも明かさず、還暦・退職のこの日のために密かに狩猟免許や解体の資格まで取り、体を鍛えてきた。

 

最近の動物保護意識もあって、世間のハンティングへの抵抗感はやや強い。ただし、このため野生動物が増えて田畑が荒らされ、生活が脅かされて農家が困っているのも事実だ。結果、ハンターの高齢化から猟友会でも「還暦なんて若い人」の参加は大歓迎だそうだ。

 

ところがこのお父さん、肝心の猟銃が「そんなものを家に置いておいたら危険」という家族の猛反対で購入を許してもらえない。しかたないので罠猟をやっているという。それでも毎朝、罠の確認に早朝4時から山に入るだけでもウキウキと楽しそうだという。

 

別に、目標のために筋トレをしなくともいいのかもしれない。筋トレをすることで生活のなかに新たな目標ができる。無理矢理にでも目標を作ろうという気になる。そんなきっかけになることも筋トレの効果だ。

 

■1ヵ月の減量幅は最大体重の3%以内だが……

 

1ヵ月の減量幅は体重の3%以内に抑える。急激な減量はリバウンドを招きやすいからだ。私の腹筋だけを見ても、脂肪は落ちても、年のせいか皮がシワになってどうしても残る。

 

理想は月に1%だという。現在70㎏の私なら月に約700gだ。ギリギリの上限の方を採用して3%とすると約2㎏。これを多いと見るか少ないと見るか。2ℓのペットボトルを手にしてみるといい。これが体から減るのはかなりの変化だ。

 

ただし、減らしたいのは脂肪だけで筋肉は極力残したいから悩ましい。

 

城 アラキ
漫画原作家

 

 

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本連載は、城アラキ氏の著書『負けない筋トレ 還暦から筋トレにハマったら、「肉体」と「人生」が激変した!』(ブックマン社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

負けない筋トレ

負けない筋トレ

城 アラキ

ブックマン社

『ソムリエ』『バーテンダー』など、数々のお酒にまつわる傑作漫画の原作を手掛けてきた著者は自他ともに認める酒呑みであり、美食家だ。3日に一度は暴飲暴食。仕事柄、1日の歩数が500歩なんてザラだった。運動もしない日々を…

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