ボディメイクには「期限」と「量」が不可欠
■ブライダルダイエット
失敗しないダイエットはあるのか。
たとえば、女性の「ブライダルダイエット(要は結婚式までに絶対に痩せるぞ!)」は意外に成功率が高いという。なぜか。目標は結婚式当日のその一日だけ。焦点を絞りきると人は頑張れる。コンテストビルダーなら大会の日にすべての照準を合わせている。
ライザップのような、やや高額なプライベートスタジオの「払った料金の分はなんとか結果を出すぞ」という頑張りも、2、3ヵ月だけだからこそ我慢もできる。
無論、ライザップもブライダルダイエットも、その後トレーニングを続けず食事も元に戻してしまえばリバウンドする(コンテストビルダーも、大会が終わったその日に食べて、2〜3㎏はすぐ戻る)。だが、目標と期間を設定し、それを達成したという経験は残る。それがちょっとした自信につながる。
長々と横道にそれたが、減量で体を絞り「いい体」を作るためには、まず「期限」と「量」が必要と言いたいのだ。
■「パーキンソンの法則」
減量に限らず、人にとって「期限」と「量」がなぜ大事か。英国の歴史学者シリル・パーキンソンが唱えた「パーキンソンの法則」という労働効率に関する皮肉な指摘がある。
第1法則。「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」。要は仮に1時間でできる仕事も、3時間与えられると終わるまで3時間、5時間与えられれば5時間かかるということだ。もし仮に与えられた時間に制限がなければ、つまり期限がなければ、人は永遠に仕事を完成させないということになる。
第2法則。「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」。仮に年収300万円の人間が年収3000万円になったらさぞや生活は豊かになると思うが、そうでもない。年収3000万円になると、年収300万円だった頃には思いもつかぬ無駄な支出をするからだ。
この変形で「資源に対する需要は資源が入手可能な量まで膨張する」というのもある。要は最初80本が入るワインセラーを買って、ごちゃごちゃ押し込むから手狭になって、120本入りならいいかと買い直す。
ところがワインも40本余分に買ってしまうので、結局あいかわらずごちゃごちゃで、いつまでたっても整理が付かぬというわけだ。これはもちろん私のケース。
これをボディメイクに当てはめるとどうなるか。
第1法則「期限を決めない減量は失敗する」
第2法則「量を決めない減量は失敗する」