(※写真はイメージです/PIXTA)

減量で体を絞り「いい体」を作るためには、まず「期限」と「量」が必要です。目標と期間を設定し、それを達成したという経験は残り、それがちょっとした自信につながります。還暦から筋トレを始めた城アラキ氏が著書『負けない筋トレ 還暦から筋トレにハマったら、「肉体」と「人生」が激変した!』(ブックマン社)で解説します。

ボディメイクには「期限」と「量」が不可欠

■ブライダルダイエット

 

失敗しないダイエットはあるのか。

 

たとえば、女性の「ブライダルダイエット(要は結婚式までに絶対に痩せるぞ!)」は意外に成功率が高いという。なぜか。目標は結婚式当日のその一日だけ。焦点を絞りきると人は頑張れる。コンテストビルダーなら大会の日にすべての照準を合わせている。

 

ライザップのような、やや高額なプライベートスタジオの「払った料金の分はなんとか結果を出すぞ」という頑張りも、2、3ヵ月だけだからこそ我慢もできる。

 

無論、ライザップもブライダルダイエットも、その後トレーニングを続けず食事も元に戻してしまえばリバウンドする(コンテストビルダーも、大会が終わったその日に食べて、2〜3㎏はすぐ戻る)。だが、目標と期間を設定し、それを達成したという経験は残る。それがちょっとした自信につながる。

 

長々と横道にそれたが、減量で体を絞り「いい体」を作るためには、まず「期限」と「量」が必要と言いたいのだ。

 

■「パーキンソンの法則」

 

減量に限らず、人にとって「期限」と「量」がなぜ大事か。英国の歴史学者シリル・パーキンソンが唱えた「パーキンソンの法則」という労働効率に関する皮肉な指摘がある。

 

第1法則。「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」。要は仮に1時間でできる仕事も、3時間与えられると終わるまで3時間、5時間与えられれば5時間かかるということだ。もし仮に与えられた時間に制限がなければ、つまり期限がなければ、人は永遠に仕事を完成させないということになる。

 

第2法則。「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」。仮に年収300万円の人間が年収3000万円になったらさぞや生活は豊かになると思うが、そうでもない。年収3000万円になると、年収300万円だった頃には思いもつかぬ無駄な支出をするからだ。

 

この変形で「資源に対する需要は資源が入手可能な量まで膨張する」というのもある。要は最初80本が入るワインセラーを買って、ごちゃごちゃ押し込むから手狭になって、120本入りならいいかと買い直す。

 

ところがワインも40本余分に買ってしまうので、結局あいかわらずごちゃごちゃで、いつまでたっても整理が付かぬというわけだ。これはもちろん私のケース。

 

これをボディメイクに当てはめるとどうなるか。

 

第1法則「期限を決めない減量は失敗する」
第2法則「量を決めない減量は失敗する」

 

次ページ1ヵ月の減量幅は体重の3%以内

本連載は、城アラキ氏の著書『負けない筋トレ 還暦から筋トレにハマったら、「肉体」と「人生」が激変した!』(ブックマン社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

負けない筋トレ

負けない筋トレ

城 アラキ

ブックマン社

『ソムリエ』『バーテンダー』など、数々のお酒にまつわる傑作漫画の原作を手掛けてきた著者は自他ともに認める酒呑みであり、美食家だ。3日に一度は暴飲暴食。仕事柄、1日の歩数が500歩なんてザラだった。運動もしない日々を…

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