(※写真はイメージです/PIXTA)

資格を取得して転職による年収アップを図れるのは、同じ職種で働いて中小企業から大企業へ転職できたケースです。それ以外は、現状維持か年収ダウンのほうが多いといいます。46歳で社労士試験に挑戦し、50代から実務を経験した佐藤敦規氏が著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

資格取得者が実務経験を積む働き方

■非公開の求人情報に注目する

 

社会保険労務士法人(事務所)など士業事務所の求人情報は、転職サイトやハローワークなどの公開されたメディアに掲載されないこともあります。

 

ではどのようにあるのかというとそれは「紹介」です。

 

小規模な空間の中で重大機密情報なども扱うことから、仕事ができるかどうかにプラスして信頼できる人かどうかという点がポイントになりますが、面接や筆記試験だけでは、その人の人間性を推し量れないからです。実際、私が今、働いている社労士法人に入社したのも、社労士の有志による勉強会に参加したのがきっかけでした。

 

支部会といって資格者の交流会は多数開催されていますが、親睦会のような性格のものよりもこうした勉強会などで有益な求人情報を得られることがあります。アンテナを張り巡らしておくとよいでしょう。最近では、SNSを利用した求人もあります。

 

代表的なものが、リンクトイン(LinkedIn)でしょう。Twitterで補助者やパートナーを募集していることもあります。紹介に限ったことではなく、面接試験全般にいえることですが、自身のSNSもよく見られていますので、投稿する際には細心の注意を払ってください。

 

政治、宗教など一般の席でNGとなっている話題はもちろんのこと、多様性、メンタル、LGBTなどについても留意する必要があります。マイナスな印象を与えるのでSNSはやらない、アカウントは持っていても自ら情報を発信しないという人もいます。

 

今、いる会社でずっと働き続けようと考えている人は、そのほうが賢明かもしれません。しかし転職、独立などを視野に入れるのであれば、自らも情報を発信していったほうがよいでしょう。

 

特にお勧めなのは、リンクトインです。非公開の求人情報が入ってくるので、始めることをお勧めします。

 

■派遣社員として経験を積むという方法もある

 

資格を活かして転職しようとする場合、ネックとなるのが実務経験の有無。資格に加え転職先の業務の経験がなかったり、少なかったりすると採用に至らないのは事実です。

 

しかし派遣社員として勤務するのであれば、未経験でも可という募集案件もあるのでハードルが下がります。

 

「社会保険労務士 派遣」「宅建士 派遣」などで検索をかけると相当数の求人を確認できるでしょう。求人数が少ない行政書士でも複数件の募集案件があります。

 

士業や国の仕事は波があり、法律の改正後や大型助成金・補助金がでた後は、一時的に大量の人員が必要となるときがあるからです。士業事務所や行政機関では、早急に人員を確保したいので派遣会社を頼ります。

 

雇用の安定性がないという理由で、派遣社員という働き方に抵抗を覚える人もいるかもしれませんが、合格した資格に関連する実務に就くという目的で、やってみるのもよいのではないでしょうか。契約期間が終了しても、派遣先の事務所に採用されるようなケースもあります。

 

派遣社員のメリットとしては、残業があまりないというものがあります。空いた時間を利用すれば、さらなる転職や独立へ向けた準備も可能となります。

 

佐藤 敦規
社会保険労務士

 

 

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本連載は佐藤敦規氏の著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

佐藤 敦規

日本能率協会マネジメントセンター

早期退職やリストラという言葉を聞いて、ギクリとした人も多いのではないでしょうか。リストラというと業績が悪い企業が実施するものでしたが、昨今では、高収益を挙げた企業が、さらなる発展を目指すため行うケースもあります…

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