(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者の姿を街角であまり見かけなくなりました。いまはたまたまコロナのせいもあって外出を控えているだけかもしれませんが、知らず知らずのうちに足腰の衰えが進み、外出に不安を感じるようになっている可能性があります。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『老人入門 いまさら聞けない必須知識20講』(ワニブックスPLUS新書)で解説します。

備えるには老いへの知識が必要

■老人入門――可能性はそこから広がってくる

 

まだ自分を老人とは認めたくない年齢であったとしても、老いをやがてやってくる自分の現実と受け止められるようになること、そして本当の老いを実感したときに、慌てることなく向き合えるようになること。このふたつが実行できれば、老いの備えは十分ではないのかなと私は思います。

 

そのためにはまず、老いそのものへの知識が必要です。

 

老いることで心や身体にどんな変化が起きるのか、その変化をどう受け止め、どう乗り越えていけばいいのか、そういった老いと緩やかに闘うための知識ですが、ほかにも大切な知識がいくつかあります。老いと闘うことだけが備えではありません。ある年齢、多くは80代後半ですが、老いを受け入れるしかない時期がやってきます。

 

そのとき、緩やかに老いながらもどう自分の人生や毎日の暮らしを楽しんでいくかを考えておくことも大切な備えになってくるはずです。

 

老人入門というのは、いつかは受け入れるしかない老いの人生の中に、いかに自分の希望や願いを育てていくかを計画することでもあるのです。入門ですから、その先に道や可能性をどのようにでも広げていくことができます。

 

「私はこんな老い方がしてみたい」とか「こんなふうに老いを楽しんでみたい」という希望を育てていくこと、それも老人入門の気楽さになってきます。

 

老いは誰にとっても初めての経験なのですから、自分だけの老い方をどのようにでも描くことができるし、実現していくこともできます。初心者ほど先入観にとらわれず自由な発想ができるのです。

 

和田 秀樹
和田秀樹こころと体のクリニック 院長

 

 

↓コチラも読まれています 

ハーバード大学が運用で大成功!「オルタナティブ投資」は何が凄いのか

富裕層向け「J-ARC」新築RC造マンションが高い資産価値を維持する理由

 業績絶好調のジャルコのJ.LENDINGに富裕層が注目する理由 

コロナ禍で急拡大!トラックリース投資に経営者が注目する理由

  「給料」が高い企業300社ランキング…コロナ禍でも伸びた会社、沈んだ会社

本連載は和田秀樹氏の著書『老人入門 いまさら聞けない必須知識20講』(ワニブックスPLUS新書)より一部を抜粋し、再編集したものです。

老人入門 いまさら聞けない必須知識20講

老人入門 いまさら聞けない必須知識20講

和田 秀樹

ワニブックス

老いに対する正しい知識がないことで、 過度に不安になったり、老いが加速したり、 結果的に不幸な老い方をしている人が多くいます。 そこで本書では、老年医学の専門家による 「これだけは知っておかないともったいない」とい…

80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい

80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい

和田 秀樹

廣済堂出版

70代は人生の下り坂に差し掛かった時期。一気に滑り台のようにおりていくか、鼻歌でも歌いながら気長におりていくか……。80代、90代を迎える大事な時間である70代をいかに過ごすべきか。30年以上にわたり高齢者医療に携わって…

アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉

アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉

和田 秀樹

大和書房

親の言葉かけが、子どもを東大へ行かせます。 罰しても子どもは勉強しません。なぜなら自分に価値があると思うときに子どもは勇気を持てるからです。アドラーは親子関係を対等なものと考え、子どもが人生の課題に取り組み、乗…

東大医学部

東大医学部

和田 秀樹 鳥集 徹

ブックマン社

灘高→東大理Ⅲ→東大医学部卒。それは、日本の偏差値トップの子どもだけが許された、誰もがうらやむ超・エリートコースである。しかし、東大医学部卒の医師が、名医や素晴らしい研究者となり、成功した人生を歩むとは限らない…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録