(※画像はイメージです/PIXTA)

9月の米ドル/円相場は、FOMCでの利上げ見通しの大幅引き上げや、24年ぶりの「円買い介入」などにより、波乱の月となりました。こうしたなか、10月の米ドル/円はどのような動きを見せるのか。また、今後再び「円買い介入」が発生する場合、どのようなタイミングでの実施が考えられるのか、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が予想します。

これらから考え得る米ドル・円の「10月の予想レンジ」

以上見てきた、2010~2011年にかけての米ドル買い・円売り介入のやり方は、今回の米ドル売り・円買い介入の今後の展開を考えるうえでヒントになるのではないでしょうか。

 

たとえば、今回145円台で最初の介入が行われたと見られていますが、それは145円を防衛ラインとしたというより、1998年の米ドル高値、147円台更新前にけん制に動いたということではないでしょうか。

 

そうであれば、次の介入は必ずしも145円にはこだわらず、1998年の米ドル高値である147円台を更新し、一気に150円の大台を目指すといった具合に不安定になったところがけん制のタイミングとして意識されるのではないでしょうか。

 

為替介入の実質的な責任者である神田財務官は、介入を判断するうえで「ボラティリティ(変動率)を重視する」といった具合に説明していました。これは、特定の水準を防衛するということではなく、注目された水準を更新し、相場が不安定になった動きをけん制するといった意味と考えられます。

 

そうであれば、米利上げの動きをにらみながら米ドル高・円安が加速するような場面で介入との攻防戦が起こるといったイメージではないでしょうか。

 

以上を踏まえ、10月の米ドル/円は140~148円中心での展開を想定したいと思います。

 

 

吉田 恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

 

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