(※画像はイメージです/PIXTA)

9月の米ドル/円相場は、FOMCでの利上げ見通しの大幅引き上げや、24年ぶりの「円買い介入」などにより、波乱の月となりました。こうしたなか、10月の米ドル/円はどのような動きを見せるのか。また、今後再び「円買い介入」が発生する場合、どのようなタイミングでの実施が考えられるのか、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が予想します。

24年ぶりの「米ドル売り・円買い介入」の重要性

9月相場を振り返ったうえで、もうひとつ重要と思われたのは、1998年以来24年ぶりに実現した米ドル売り・円買い介入です。米大幅利上げ見通しのなかで、上述のように米ドル高・円安も150円を目指すようなら、それに対して日本の為替介入がどのように関わってくるかはひとつの注目点でしょう。

 

それを考えるうえで、今回と方向は逆ですが、これまでの日本の最後の為替介入となっていた、2010~2011年にかけて断続的に行われた米ドル買い・円売り介入について確認してみましょう。

 

この介入は、2010年9月15日に始まり2011年11月まで1年余りに渡って行われました。ただそのなかで主な介入は4回に過ぎなかったのです(図表3参照)。

 

出所:マネックストレーダーFX
[図表3]米ドル/円の週足チャート(2010年10月~2012年1月) 出所:マネックストレーダーFX

 

この4回の介入のなかで、最初の介入は2010年9月15日に行われました。当時の為替相場を参考にすると、1米ドル=82円程度で米ドル買い・円売り介入が行われたと考えられます。当時の米ドル最安値は、1995年4月に記録した80円でした。その意味では、いよいよ米ドル最安値更新に迫る動きとなったことから最初の介入に出動したと考えられます。

 

これを受けて米ドルは一旦反発となります。ただし約3週間程度で、米ドルは介入があった水準を割り込んできました。それでも当時の米ドル最安値である80円の更新にいたらないと2度目の介入は行われませんでした。

 

2度目の米ドル買い・円売り介入出動となったのは、2011年3月18日でした。2011年3月11日に東日本大震災が起こりました。すると、これをきっかけに日本への外遊資金の引き揚げが広がるとの思惑から米ドル安・円高が再燃、米ドル最安値を大きく更新するところとなったのです。ここで2度目の介入実現となったのは、米ドル最安値更新で不安定になった相場のけん制が目的だったと考えられます。

 

3度目の介入は、2度目の介入から5ヵ月近くも経過した同年8月4日でした。これは、2度目の介入の際に記録した、当時の米ドル最安値を更新した動きに対してけん制する目的だったと考えられます。

 

そして4度目の介入は同年10月31日、この日1日だけで8兆円もの大規模な米ドル買い・円売り介入として行われました。これは当時の米ドル最安値を下回る節目の75円を防衛ラインに設定した徹底介入と見られました。

 

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