【起業家必見】「誰に提供するのか」「何を提供するのか」…ビジネスの見極めに不可欠な2つのポイント

【起業家必見】「誰に提供するのか」「何を提供するのか」…ビジネスの見極めに不可欠な2つのポイント

ゼロからビジネスアイデアを創出するのは大変です。そしてまた、自社を客観的に分析することも容易ではありません。ここでは、新規事業の「あるべき姿」を明らかにする「STP分析」と、ターゲティングの手法について解説します。

段階的ターゲティングで「セグメントを広げていく」

顧客の特性に応じて市場を細分化していくセグメンテーションの作業を通じて、同じニーズや性質をもつ固まりとしてとらえられた市場もしくは顧客の集団を「セグメント」といいます。ターゲティングは、複数あるセグメントの中からどのセグメントをターゲットとして選ぶのかを決定するプロセスです。このターゲットセグメントを絞り込む作業を通じて、ユーザーニーズがより鮮明に浮き彫りになることが期待できます。

 

ターゲティングの手段としては、複数の段階に分けてアプローチしながらセグメントを広げていく「段階的ターゲティング」も有効です。

 

まず、第一段階では既存顧客に売り込んでレファレンスユーザーになってもらうよう努めます。

 

レファレンスユーザーとは、他のユーザーがその行動を見習う対象となるユーザーのことです。たとえば、ある業界で新規のシステムを導入する場合、最大手の企業が導入してから二番手以下の企業が続くケースがしばしば見られます。この場合、その最大手(最初)の企業がレファレンスユーザーということになります。

 

次に、第二段階では上記実績をベースに上記ユーザーと同業の他セグメント(中堅企業など)へアプローチしていきます。つまり「最大手の○○社に導入して頂きました。御社でもいかがでしょうか」などと実績をアピールしながら、同業他社へ積極的に営業を展開していくわけです。

 

第三段階ではさらに他業界の新たなセグメントへアプローチしていきます。ターゲティングの具体的な形としては「これまでとは異なる商品・サービスを取り扱う」「B2BからB2Cへと広げる」などが考えられます。

 

[図表1]段階的ターゲティング

 

アマゾンを例にすれば、同社は書籍のEC事業(第一段階)からあらゆる商品のEC事業へとターゲットを広げていき(第二段階)、そこからさらに音楽・映画配信事業、法人向けクラウド事業、法人向けEC事業へと展開しています(第三段階)。

 

[図表2]段階的ターゲティング アマゾンの事例

 

次ページターゲティングにより、市場を絞り込む

本記事は『改訂新版 超図解! 新規事業立ち上げ入門』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋・再編集したものです。

改訂新版 超図解! 新規事業立ち上げ入門

改訂新版 超図解! 新規事業立ち上げ入門

木下 雄介

幻冬舎メディアコンサルティング

事業立ち上げのリーダー必読! 豊富な図解でよくわかる! 7つのステップで理論から実践まで、新規事業立ち上げのポイントを徹底解説。 2017年4月発刊の“新規事業開発ハンドブック"がさらに実践的にリニューアル。VUCA…

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