顧客への提供価値を明確にする
STP分析では「顧客への提供価値」について十分に検討することが求められます。そもそも、いかなる商品・サービスもなんらかの価値があるからこそ、顧客はそれらにお金を払って手に入れようとするわけです。そうした観点からすれば、自社が提供する商品・サービスにどのような価値があるのかを明確にすることは、顧客のニーズを正しくとらえるうえで不可欠になるはずです。
顧客への提供価値を検討する際には「誰に提供するのか」「何を提供するのか」という2つの視点が求められることになります。「誰に」を明確にすることで「何を」が具体化することもありますし、逆に「何を」を具体化することで「誰に」が明確になることもあります。
その意味では、両者は不可分の関係にあるといえます。また、両者のうち「誰に提供するのか」という点を明らかにするのが、前述のセグメンテーションとターゲティングのプロセスになります。
一方、「何を提供するのか」という点に関しては、提供するものの価値を①機能的価値、②心理的価値、③経済的価値の3つの要素に分けて検討していきます。
①機能的価値とは、商品・サービスの実際の機能やスペックであり、②心理的価値は商品・サービスがもたらす満足感や優越感、③経済的価値は商品・サービスによって得られる経済的メリットです。プロローグでも触れたように消費者の価値観が「モノ」消費から「コト」消費へと移行していることに伴って、近年は①機能的価値よりも、②心理的価値、③経済的価値の比重が高まっているといえます。
木下 雄介
カッティング・エッジ株式会社 代表取締役
中小企業診断士
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