ゼロからビジネスアイデアを創出するのは大変です。しかし、ひとりきりで考えるのではなく、グループで議論をすることで、より一層優れたアイデアが誕生します。効率的なアイデア出しの方法を、具体的に紹介します。

MIT研究所のグループ・ダイナミックス理論

どんなに優秀な人材でも1人で考えているだけでは、なかなかよいアイデアは出てこないものです。やはりグループやチームで討議し、ブレインストーミング(会議形式で行うアイデア出し)することが必要になるはずです。

 

個人で考えている場合に比べて、集団で議論しあっている場合のほうがより多くの優れたアイデアが生まれる理由は、「グループ・ダイナミックス理論」によって説明することが可能です。「グループ・ダイナミックス(Group Dynamics)」は直訳すれば「集団力学」になります。集団の構成員が互いに及ぼしあう影響などを研究する社会心理学の一分野であり、アメリカの心理学者であるクルト・レヴィンによって基礎理論が構築されました。

 

彼は研究の出発にあたり、

 

⑴集団生活の場にはどのような性質の「力」が働いているのか

⑵どのような力が集団生活の変化を作り出すのか

⑶どのような力が変化に対する「抵抗」を作り出すのか

 

という3つの設問を掲げています。

 

レヴィンの死後はマサチューセッツ工科大学(MIT)に設けられた専門の研究所を中心にその理論的研究等が続けられました。日本でもグループ・ダイナミックス学会が創設されるなど、関連する研究や実践活動は世界各国で展開されています。

 

グループ・ダイナミックス理論では「集団」と「個人」が相互に影響を及ぼしあうことで、集団と個人双方の気づきや意欲が高まっていくと評価されています。そのような積極的な効果が、ブレインストーミングにおいても十二分に発揮されていると考えられています。

 

※セッションルールについては図表2を参照
[図表1]グループ・ダイナミックスを生むための会議座席配置図 ※セッションルールについては図表2を参照

 

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本記事は『改訂新版 超図解! 新規事業立ち上げ入門』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋・再編集したものです。

改訂新版 超図解! 新規事業立ち上げ入門

改訂新版 超図解! 新規事業立ち上げ入門

木下 雄介

幻冬舎メディアコンサルティング

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