ゼロからビジネスアイデアを創出するのは大変です。しかし、ひとりきりで考えるのではなく、グループで議論をすることで、より一層優れたアイデアが誕生します。効率的なアイデア出しの方法を、具体的に紹介します。
アイデア出しのプロセスは「発散」と「収束」の2段階
アイデア出しのプロセスは大きく「発散」と「収束」の2段階に分けることができます。
「発散」は、アイデアを外に発することに専念する段階です。このプロセスでは、とにかく可能な限り多くのアイデアを出すためのノウハウや雰囲気作りが重要になります。
ことに日本人は欧米人などに比べると気が弱く、「こんなことを言ったらばかにされるのではないか」「余りにも突拍子もないアイデアだから、提案したら場が白けた雰囲気になるのではないか」などと考えて自分から積極的に意見を述べることを躊躇する傾向があります。
そのため議論を進行する側は、参加者が思いついたことをためらわずに言えるよう十分に配慮することが必要です。たとえば「そんな考えはダメだ」「実行するのが難しいのではないか」などとはじめから粗を探すような姿勢で臨むのではなく、一見実現不可能に思えるアイデアが出ても「○○を改善すれば現実化できそうだ」などと、実現の可能性を広げていく方向に議論を導いていくようなスタンスが求められます。
この「発散」のプロセスでアイデアが数多くあがった後は、それらを整理するプロセスに移ります。この「収束」の段階では、アイデアをより実現可能な形に絞り込んでいくことが重要になります。前述したKJ法のグルーピングは、収束のための実践的な手法の1つといえます。
これらの「発散」と「収束」のプロセスを繰り返す中で、新規事業のアイデアは成熟し、参加者の考えもより深まっていくはずです。
発散と収束のプロセスをサポート…KJ法、4つのSTEP
①STEP1:各メンバーが付箋に各課題に対するアイデアを書き出し、貼り出す(KJ法を活用)
②STEP2:アイデアをグルーピングする
③STEP3:関連する項目をまとめ、グループ間の関係性を表示(図解化)
④STEP4 叙述化(収束)
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カッティング・エッジ株式会社
代表取締役
中小企業診断士
1986年、慶應義塾大学経済学部卒業
2002年、テキサス大学オースティン本校マコームズビジネススクール交換留学
2003年、神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程(MBA)修了
2008年、MITスローン経営大学院 Executive MOT修了
1986年、日本アイ・ビー・エム(株)に入社。社内公募によりジョイントベンチャーを立ち上げ、IBMロゴの製品化を実現。1997年、当時、SFAのパイオニア企業であった米国シーベルシステムズ社の日本上陸に伴い、創業メンバーとして参加。西日本地区の責任者としてビジネスを立ち上げる。その後複数のベンチャー企業立ち上げを経て、2008年、タレントマネジメントのグローバルリーディングカンパニーであった米国サクセスファクターズ社(現SAP社)にスカウトされ、日本法人を設立し、代表取締役社長に就任。ゼロからビジネスを立ち上げ、日本におけるタレントマネジメントシステムの市場を切り拓く。その後、日本オラクル(株)、サービスナウジャパン(合)の事業責任者を経て、独立。現在は、自身の会社であるカッティング・エッジ(株)を設立し、中堅・ベンチャー企業に対するコンサルティングを行う傍ら、ビジネススクールにて「新規事業開発」講座等を担当し、後進の育成に努めている。
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