野口悠紀雄氏「ブロックチェーンはITの第3の革命」
テクノロジーの進化については、最新のトピックの1つとして“ブロックチェーンの衝撃”も見落とすことができないでしょう。
ブロックチェーンは暗号資産の決済に利用されている中核技術です。暗号資産の一種であるビットコインが普及する中で大きな注目を集めるようになりました。
もっとも、一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏によれば、ブロックチェーンは単なる暗号資産の決済システムにとどまるものではなく「ITにおける第3の革命」ともいうべきイノベーションとして位置づけられています。
ブロックチェーンが革命的と呼ばれている理由は、まずその構造が従来の中央集権的システムではなく、ピアツーピア(P2P)の分散管理型のシステムであり、取引履歴をネットワークに参加しているコンピューターで分散管理している点にあります。一連の取引内容は「ブロック」としてまとめられ、各ブロックは時系列で「チェーン」としてつながっているので、一部だけ改ざんすることは事実上不可能になっています。
このため、ブロックチェーンシステムでは信頼できる第三者による認証というお墨付きが必要なく、全体を管理する「組織(経営者)」も必要ありません。このような分散され自動化した組織は「自律分散型組織(DAO:Decentralized Autonomous Organization)」と呼ばれており、今後、全世界的に人々の働き方や組織のあり方に多大な影響を与えていくものと推察されます。
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