(※写真はイメージです/PIXTA)

M&Aと同じく提携も複数の相手企業の中から選べるようにしておく必要があります。そのためには、切羽詰った状況に陥る前に、いろいろな企業と連携を取るパイプを持ち、いろいろな可能性の選択肢を持っておく必要があります。コンサルタントの井口嘉則氏が著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

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提携を成功させる6つのポイント

提携案件を成功させるには、以下の6つのポイントを押さえておく必要があります。

 

(1)提携せざるを得ないような切羽詰まった状況に陥らない

 

提携は、双方の会社が何らかのメリットを求めてもう一方の会社と手を組むわけですから、意思決定の自由度が必要です。

 

悪い例は、シャープと鴻海の事例で、シャープが堺工場に莫大な液晶パネル工場投資を行い、円高で輸出ができなくなって採算が悪化し、どこかと提携せざるを得ないような状況になって提携という形を取りました。

 

鴻海側には選ぶ権利がありましたが、シャープ側にはほぼなかったために不利な条件での提携となり、結果としてシャープがM&Aで鴻海傘下に入ることになってしまいました。シャープの方で、他に選択肢があれば提携交渉ももう少し有利に進められたかと思いますが、そうはいきませんでした。

 

(2)複数の候補の中から選べるようにする

 

M&Aと同じく提携も複数の相手企業の中から選べるようにしておく必要があります。そのためには、切羽詰った状況に陥る前に、いろいろな企業と連携を取るパイプを持ち、いろいろな可能性の選択肢を持っておく必要があります。

 

相手は、当方に選択肢がないと見切るや、こちらに不利な条件を出してきます。こちらに選択肢の玉があれば、提携交渉も有利に進められます。

 

(3)信頼できる提携候補を選ぶ

 

提携には、うまく行くものと行かないものとがあります。すべてうまく行くわけではありません。提携前は、提携したいがために誇張した表現を使うこともあります。その結果、提携後に話が違うともめ事が起こることもままあります。

 

日本人は、初めての人でも会社でも、人を信用するところから入りますが、これは日本だけの事で、世界の国々では、初めての人や会社は信用しないところから入っていきます。このため、日本企業が海外進出すると騙されるということがよく起こります。

 

海外ではそれを、日本人は騙されやすいとか、信じる方が馬鹿だと言って憚りません。

 

ですから、特に海外案件については信頼できる提携候補を選ぶようにする必要があります。そのためには、提携関係に入る前に、事前に取引をしてみるなど、その会社が約束を守る会社かどうかを試す機会を作っておいた方が良いでしょう。

 

(4)双方の提携メリットを明確にする

 

すでに見たように、提携は相互の自由意志で行う契約行為ですから、双方に提携メリットがある必要があります。自社サイドのメリットだけでなく先方にとってのメリットも考えておくことで、提携交渉にも幅が出てきます。

 

(5)提携の具体的方法を検討しておく

 

提携にはいろいろな形態がありますから、提携して双方が具体的にどのようなことを行うのかを予め決めておいた方が良いでしょう。業務レベルで想定が付くと良いと思います。

 

(6)提携解消後を考えておく

 

M&Aと異なり提携には終わりがあります。このため、終わったあとで不利にならないように、予め提携解消後のことを考えて提携する必要があります。

 

ポイント
提携は、事前に慎重に検討し、しっかりと提携のメリットを享受できるようにすること

 

井口 嘉則
株式会社ユニバーサル・ワイ・ネット 代表取締役
オフィス井口 代表

 

 

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※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

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