(※写真はイメージです/PIXTA)

M&Aと同じく提携も複数の相手企業の中から選べるようにしておく必要があります。そのためには、切羽詰った状況に陥る前に、いろいろな企業と連携を取るパイプを持ち、いろいろな可能性の選択肢を持っておく必要があります。コンサルタントの井口嘉則氏が著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

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提携形態はいろいろなバリエーションから選ぶ

M&Aの項で資本移動を伴わない提携として業務提携があることを紹介しました。提携にはいろいろな形態があります。販売提携、OEM提携、共同開発・技術提携等です。

 

自社の経営資源には限りがあることを前提に、他社の力を借りる提携ということも経営の選択肢としてはあります。

 

(1)販売提携

メーカーの場合、自前で販売網を構築するにはコストと時間が掛かりすぎます。このためすでに販売網を持っている商社等と代理店契約を結ぶといった選択肢があります。

 

こちらは開発や製造に集中できる分経営資源の分散を避けることができます。一方商社側は、売れる商材であれば販売の選択肢が広がったほうがいいので、売れそうなメーカーと代理店契約を結ぶということがあります。

 

ただ販売提携の場合、自社の製品だけを売ってくれるわけではなく、他社の製品もある中で自社の製品も売ってもらうということで、商社側の力の入れ方によって販売動向が左右されます。

 

また、すでにリアルで販売網がある場合、ホームページ経由のネット販売を始めようと思うと、既存の販売網から反発を食う可能性もあります。仮にネット販売をスタートしても、誰も見に来ないのでは売り上げに繋がりませんから、それぞれの販売方法のメリット・デメリットをよく見比べて選択する必要があります。

 

(2)OEM提携

OEMとは、Original Equipment Manufacturingの略で、OEMを依頼する側と依頼される側それぞれで検討のポイントが異なります。

 

まずOEMを依頼する側ですが、自社に生産能力がない場合に、生産能力を持った会社に生産を委託します。アップルなどが典型例で、自社工場を持たず、台湾の鴻海などに製造委託しています。鴻海は、中国の奥地に工場を建て、安い労賃の従業員を集め、アップル製品の組み立てを行わせます。もちろん品質管理は先進国向けに厳格に行います。

 

これによりアップルは販売価格は先進国向けの高価格で、製造コストは新興国の人件費で安く作れて、高い粗利率を確保することができています。

 

OEMを受ける側としては、同じような生産ラインで作れるのであれば、いろいろな企業からOEM注文を受けて生産する方が量産効果が出ます。こうして成長してきたのが、台湾の鴻海、ASUS、Acer等の通称EMS(Electronics Manufacturing Service)と呼ばれるメーカーです。

 

(3)共同開発・技術提携

新技術や新製品を開発する際に、双方の技術を持ち寄って開発した方が成功確率が高いことがあります。そうした場合には共同開発や技術提携という形態をとります。

 

テスラの電気自動車を量産するためにパナソニックが最先端の電池工場を作ったりしたのはこうした例です。

 

ただし一旦開発できてしまうと、どちらが開発のリーダーシップをとるのかということで、長く続かないケースもあります。

 

このため、提携については、M&Aと異なり永続的な関係ではないため、いつかは終わりが来ることも想定しておかなければなりません。また、そもそも提携を始める場合に、双方にメリットがないと合意ができませんから、その点も注意が必要です。

 

ポイント
提携は、事前に慎重に検討し、しっかりと提携のメリットを享受できるようにすること

 

次ページ提携を成功させる6つのポイント

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    ※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

    事業計画書の作り方100の法則

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