年末年始の帰省ラッシュがまもなく訪れるなか、かわいい孫との時間を楽しみにしている祖父母の方も多いのではないでしょうか。しかし、喜びの一方で「孫疲れ」とも呼ばれる負担を感じている方も少なくありません。今回は、年金暮らしの鈴木さん夫婦(仮名・70代)の事例とともに、年末年始の孫との楽しい時間を維持しつつ、自分たちの「健康と家計」を守るヒントについて、南真理FPが解説します。
お正月が怖いです…。年金暮らし70代夫婦、孫7人が勢揃いする年末年始を楽しみにしている一方、内心抱える〈切実な悩み〉【FPの助言】
年末年始、家族一同が集まるのは楽しみだが…「このままで大丈夫?」
鈴木憲正さん(73歳)は、都心の郊外で妻・恵美子さん(71歳)と2人暮らしです。もともと会社勤めで、65歳で完全リタイア。現役時代に購入した自宅のローンも退職金を使って完済しています。今は年金暮らしで、残りの余生は、夫婦仲睦まじく過ごしたいと思っていました。
鈴木さん夫婦には3人のこどもがおり、孫も7人います。年末年始はいつもこども夫婦が孫と帰ってきて、新年を迎えます。孫は中学生から下は4歳と幅広い年齢層。特に妻・恵美子さんは、年末年始にこどもたちや孫に会えることを楽しみにしています。
しかし、楽しみにしている反面、最近は別の感情も生まれるようになりました。みんなを迎えるためにキッチンに立ち続けて料理をしたり、孫の相手をして出かけたり、そういったことが負担になってきたのです。
「こどもや孫たちに会えるのは嬉しいけれど……。こども夫婦が6人、孫が7人ですから、とんでもなく騒がしいんです。年末は30日ぐらいにうちに来て、1月3日ぐらいまでいるんです。5日間、毎日孫の相手をするのは大変ですよ。私たち、普段は朝6時に起きて夜は21時ぐらいに寝てしまうんですが、こどもや孫がくると夕食も寝る時間も遅くなるんです」
ここ1、2年はみんなが帰った翌日は、鈴木さんも妻の恵美子さんも、起き上がれないくらい疲れてしまい、体調を崩すようになってしまったそうです。
「会う前はすごく楽しみなんです。でも数日経つと、早く帰る日にならないかなと思ってしまうことがあります。それに、年末年始はみんなを迎えるために出費がかなり多くなります。本当にこのままで大丈夫なんでしょうか」
鈴木さんはそう悩むようになっていました。