「スパイ天国」日本には多くの国々が活動中
住民投票の歴史を振り返ると憲法違反まがいの悪しき前例がある。
2015年2月22日、日本最西端の国境の島、沖縄県与那国町において、自衛隊配備をめぐる住民投票をおこなった際に、反自衛隊側は、中学生や島にいる永住外国人にまで投票権を与えるという非常手段に訴えたのだ。
総人口1500人弱の島で、中学生41人を含む未成年者97人と外国人5人が投票権を得たのだ。幸いにも投票結果は賛成632票、反対445票で、自衛隊の配備が実現することになった。私は反対派の卑劣な行為は憲法違反だと思っている。
この投票で問われたのは、日本防衛に不可欠な離島国境への自衛隊の配備であり、国と自治体が合意した内容である。住民投票というカタチで憲法違反まがいのことがまかり通る悪しき前例である。
■日本で暗躍する世界のスパイたち
最後に、日本で暗躍する世界のスパイについて簡単に紹介したい。
元公安捜査員の勝丸円覚氏は、日本の公安警察による各国の諜報員についての分析を以下のようにまとめている。いずれにしろ、スパイ天国日本には多くの国々のスパイが活動中であることを日本人は知っておくべきだ。
中国
日本にいる中国人のなかから、エリートビジネスマン、大学で教職にある者、事業で成功している者などを選別し、諜報活動に従事させる。スパイが直接活動に関わることは少なく、自分の意を汲く む者を間に挟むことが多いので、足跡をたどりにくい。また優秀な留学生の青田買いにも積極的で、それには中国大使館の敷地外にある別館が関わっていると言われている。必要とあれば、美人留学生をハニートラップに使用することもある。
ロシア
ロシアには諜報機関が主に三つ存在する。旧ソ連時代のKGB(国家保安委員会)の流れを汲み、ロシア国内で防諜活動に従事するFSB(連邦保安局)、国外で情報を収集するSVR(ロシア対外情報庁)と軍直轄のGRU(軍参謀本部情報総局)だ。
日本では本格的な訓練を受けて実践を積んだFSBやGRUのスパイが諜報活動に従事している。パーティやセミナーに出席し、名刺交換をするなどして、独自のネットワークを構築している。
米国
「日本における活動だけで本が書ける」と言われるほど、様々な局面に登場する。予算、人員、作戦等、いずれをとってもズバ抜けた実力を保持している。ひとたび「必要」と判断されたことなら、どんなことでも実行する。
北朝鮮
在日北朝鮮人の動向を調査し、北朝鮮人スパイや協力者のリクルートや運営をしている。「日本におけるテロ」という意味では、もっとも要注意とされる存在。
韓国
朝鮮総連の動向を中心に情報収集している。中国と同様、必要があればハニートラップを繰り出すと言われているが、日本国内で日本人に仕掛けてもメリットはないので、実際はあまり聞かない。
渡部 悦和
前・富士通システム統合研究所安全保障研究所長
元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー
元陸上自衛隊東部方面総監
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