(※写真はイメージです/PIXTA)

「日経新聞の切り抜き」を25年間継続し、会社四季報を100冊読破した複眼経済塾の渡部清二代表は、有望銘柄には「中小型成長株、業績回復株、優良株、バリュー株、老舗株」という5つのタイプがあるといいます。今回はそのなかから「優良株」に焦点をあてて、株価が10倍(テンバガー)になる可能性を秘めた具体的な有望銘柄をみていきましょう。

順調な値上がりが期待できる「優良株」の見つけ方

他社が真似することができないオンリーワンの技術をもっている、ニッチな市場を独占している、あるいは業界トップのシェアを誇っているなど、「稼ぐ力」が強い企業の株を優良株という。事業や業績が安定しているので投資リスクが少ない点が好感される。

 

中小型成長株や業績回復株のように急激な値上がりは期待しづらいが、安心して買うことができて順調な値上がりが期待できる。そのため優良株を探す際は、収益性が安定していることに注目し、次の3つのいずれかに該当することが条件になる。

「優良株」を持つ企業の3つの条件

1.競合相手がいない「オンリーワン企業」

オンリーワンの技術や自社特有の商品、サービスを保有している企業は、市場に競合相手がいないので、市場を独占することができて、市場が成長するほど売上が増えることになる。ライバルがいなければ価格競争に晒されることもなく、需要が安定していれば成長が見込めるので、株価の順調な値上がりが期待できるといえる。

 

2.グローバルニッチトップ企業

ここでいうグローバルとは世界規模の事業領域、ニッチとは大手が狙わないような小規模で見逃されやすい事業領域のことを指す。

 

実はこの2つの特徴をもっている企業は意外に多く、経済産業省が『2020年版グローバルニッチトップ企業100選』として2020年6月に公表している。

 

これは、世界市場のニッチ分野で勝ち抜いている企業や、国際情勢の変化の中でサプライチェーン上の重要性を増している部素材等の事業を有する優良企業など113社を、部門ごとに選定している。部門ごとの選定企業数は、機械・加工部門61社、素材・化学部門24社、電気・電子部門20社、消費財・その他部門8社となっている。

 

これらの企業は、100〜1000億円の市場において、大企業は約20%以上のシェア、中堅企業と中小企業は約10%以上のシェアがあることを条件に選出される。選出された企業が提供する商品やサービスの市場は、5〜10年のあいだに2倍以上伸びると見込まれている。

 

世界で事業を展開している企業は、世界経済の成長を追い風にできるところが魅力である。ニッチなビジネスを展開している企業は、市場が小さかったり、自ら市場を開拓したりしなければならない場合があるとはいえ、オンリーワンの企業と同様に、独自性のある商品やサービスをコアなユーザーに提供できるところが強みだ。

 

次ページこの企業を狙え!…テンバガーが期待できる「有望株」6社

※本連載は、2023年2月25日刊行の渡部清二氏による著書『10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本連載は、証券投資の勧誘を目的としたものではありません。 最終的な投資決定は、ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本書、本連載を利用したことによるいかなる損害などについて、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート

10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート

渡部 清二

KADOKAWA

いつも読んでいる記事・数値がお宝株のストーリーに変わる! 会社四季報を100冊読破し、日経新聞の切り抜きを25年間行い、指標ノートを9,000日以上記録し続けた投資のプロが贈る「三種の神器」の投資術! 1日5分、11項目の…

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