順調な値上がりが期待できる「優良株」の見つけ方
他社が真似することができないオンリーワンの技術をもっている、ニッチな市場を独占している、あるいは業界トップのシェアを誇っているなど、「稼ぐ力」が強い企業の株を優良株という。事業や業績が安定しているので投資リスクが少ない点が好感される。
中小型成長株や業績回復株のように急激な値上がりは期待しづらいが、安心して買うことができて順調な値上がりが期待できる。そのため優良株を探す際は、収益性が安定していることに注目し、次の3つのいずれかに該当することが条件になる。
「優良株」を持つ企業の3つの条件
1.競合相手がいない「オンリーワン企業」
オンリーワンの技術や自社特有の商品、サービスを保有している企業は、市場に競合相手がいないので、市場を独占することができて、市場が成長するほど売上が増えることになる。ライバルがいなければ価格競争に晒されることもなく、需要が安定していれば成長が見込めるので、株価の順調な値上がりが期待できるといえる。
2.グローバルニッチトップ企業
ここでいうグローバルとは世界規模の事業領域、ニッチとは大手が狙わないような小規模で見逃されやすい事業領域のことを指す。
実はこの2つの特徴をもっている企業は意外に多く、経済産業省が『2020年版グローバルニッチトップ企業100選』として2020年6月に公表している。
これは、世界市場のニッチ分野で勝ち抜いている企業や、国際情勢の変化の中でサプライチェーン上の重要性を増している部素材等の事業を有する優良企業など113社を、部門ごとに選定している。部門ごとの選定企業数は、機械・加工部門61社、素材・化学部門24社、電気・電子部門20社、消費財・その他部門8社となっている。
これらの企業は、100〜1000億円の市場において、大企業は約20%以上のシェア、中堅企業と中小企業は約10%以上のシェアがあることを条件に選出される。選出された企業が提供する商品やサービスの市場は、5〜10年のあいだに2倍以上伸びると見込まれている。
世界で事業を展開している企業は、世界経済の成長を追い風にできるところが魅力である。ニッチなビジネスを展開している企業は、市場が小さかったり、自ら市場を開拓したりしなければならない場合があるとはいえ、オンリーワンの企業と同様に、独自性のある商品やサービスをコアなユーザーに提供できるところが強みだ。