日本学術会議は日本にとって有益か
■極端な軍事嫌いの日本学術会議を抜本的に改革せよ
菅義偉前首相は2020年10月、日本学術会議が推薦した会員候補6名について任命を見送った。これに対して、任命されなかった者と彼らを支援する日本共産党などの反政府勢力が反対しているが、彼らの反対意見は非論理的で、自らの既得権益を露骨に擁護しようとするものだ。現状の日本学術会議が日本にとって有益な組織であるとは思えない。抜本的な改革をおこなうべきだ。
今回の件で明らかになったのは、日本学術会議と日本共産党との密接な関係である。国会の議席ではマイナーな政党にすぎない共産党がアカデミアでは一定の影響力をもっていることが日本の大問題である。未だに日本に共産党が存在すること自体に日本の特殊性を痛感する。歴史的には共産主義を掲げて独裁体制を敷いたソ連をはじめとする国々の壮大な実験は大失敗だったのだ。
共産主義の独裁体制下で、多くの国民が殺され、経済は崩壊し国民の生活は困窮した。共産主義の理論は虚構の理論であったことが明らかになったにもかかわらず、まだ共産主義的な思想が影響力をもつことは日本の不幸だ。
■左翼思想が浸透したアカデミアの自衛隊嫌い
日本学術会議は1950年に「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明を、1967年には同じ文言を含む「軍事目的のための科学研究を行わない声明」を発した。
そして、2017年3月24日にも「軍事的安全保障研究に関する声明」を公表し、〈われわれは、大学等の研究機関における軍事的安全保障研究、すなわち、軍事的な手段による国家の安全保障にかかわる研究が、学問の自由及び学術の健全な発展と緊張関係にあることをここに確認し、上記2つの声明を継承する。〉とした。同声明では、防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」を批判し、防衛省への協力に否定的な立場をとっている。
櫻井よしこ氏は著書『日本の未来』(新潮社)で、学界に所属する者の問題点について以下のように厳しく指摘している。
〈学界の特徴のひとつが徹底した軍事嫌いである。つい最近まで、東大は軍事に関する一切の研究を厳しく排除してきた。1959年、大学の最高意思決定機関である教育研究評議会で、茅誠司東大総長が「軍事研究はもちろん、軍事研究として疑われる恐れのあるものも一切おこなわない」と表明、1967年には大河内一男総長が「外国も含めて軍関係からは研究援助を受けない」と宣言した。
軍事的なるものの一切を排除する日本の知的人士は、世の中の便利な技術の恩恵を受けてはいないのだろうか。多くの軍事技術が民生用技術に転用されていることは今更言うまでもない。軍事衛星が集める位置情報はミサイルのピンポイント攻撃用にも、市販されるカーナビにも使われる。東大教授たちが軍事研究を峻拒しつつ高度に発展を遂げたカーナビのお世話になっているとしたら、それ自体大いなる矛盾である。〉
また、日本学術会議に厳しい 福井県立大学の島田洋一 教授は自らのツイッターで、〈私も30年以上学界に身を置いてきたので断言するが、日本学術会議は虚飾の肩書と小遣い銭が欲しい古株教授以外には無縁かつ無用の長物。大学は左翼が多いため「学会の推薦」となると必然的に左翼の溜まり場となる。自民党政権がそんな物に毎年10億円以上の税金を出してきたのはスキャンダル。真っ先に行革の対象とすべき。改革は不可能。廃止しかない。
政策提言の組織など、遥かに機能するものが他に幾らでもある。「学問の自由が侵された」と騒ぐ日本学術会議面々の言動を見ていると、仰々しい肩書を与えられることで歪んだエリート意識が増幅され、「専門バカ」が「バカ専門」に転じていくさまがよく分かる。これ以上、大学教員は愚かで鼻持ちならないと世間に印象付けることはやめてもらいたい。迷惑だ。〉と手厳しく批判している。
私は、櫻井氏や島田教授の主張に賛同する。今回の6名任命見送りを奇貨として、日本学術会議の抜本的改革をおこなうべきだと思う。