母親が実践!勉強の競争に勝つための動機づけ
■社会の厳しさを教えることが大切
現在の日本では、格差社会の進行はとどまるところを知らず、貧富の差はますます拡大しつつあります。そのなかで勝者となった勝ち組は、どこまでも強欲さを発揮し、弱者に対する配慮やいたわりなど、みじんも示そうとはしません。
世間の風潮やメディアを見ても、強者に正面切って異を唱える声は弱々しく、むしろ弱者を叩く声のほうが大きいのが実情です。
たとえば、生活保護の受給者に対するバッシング一つをとってもそうです。百数十万円の生活保護費の詐取に対しては苛烈きわまりない叩き方をするのに、何億円もの税金を回避する富裕層に対しては、怒りの矛先を向けるどころか、むしろ追従してしまうのはどうしてなのでしょうか。
食うや食わずの生活のなかで追い詰められて公金に手を出してしまった人には厳しい半面、お金があるのに納税しない人を「賢い」と評価するのはなぜでしょうか。
日本では公務員に対するまなざしにも厳しいものがあります。「公務員は血税からのうのうと高い給料をむさぼっている」という批判を頻繁に耳にします。
しかし、地方に行けば、売上の100%が公共事業費(つまり税金)からまかなわれている会社はざらにあります。これを、どういうわけか血税から給料をまかなっているとは言いません。
公務員の給料が上がれば叩かれるのに、こうした公共事業頼みの民間企業が潤い、トップがどれだけ贅沢な暮らしをしても叩かれないのはどうしてでしょうか。
私は、子どもに対して、こういう世の中の現状をリアルに教えるべきだと思っています。
「一部の勝ち組は、とんでもなく残酷なことをしているよ」
「世の中は本当に厳しいよ」
「勉強しないと、どこまでも勝ち組に奪われる一方だよ」
私自身、娘たちにこう言い聞かせながら育ててきました。思えば、これは私の母親が口にしていたのと同じ言葉です。
私の母親は、勉強をしないからといって私たち兄弟を叱ったことはありません。そうではなくて、「勉強しないと、どうなるか」を何度も繰り返し語っていました。
「勉強しないと食べていけないよ」
「食べられなくなったら本当につらいよ」
「勉強は親の見栄のためにするものではなくて、自分が生きていくためにするものなんだよ」
そうやって、勉強の競争に勝つための動機づけを行っていたのです。
和田 秀樹
和田秀樹こころと体のクリニック 院長
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