(※写真はイメージです/PIXTA)

外出禁止、ゲーム禁止、部活動禁止……、勉強をしない子どもを罰しても、勉強をするようにならないのはもちろん、ますます頑なになるだけだといいます。それはなぜでしょうか。精神科医の和田秀樹氏の著書『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』(大和書房)で解説します。

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結果を褒めて、行動を叱る効果

私が小学生のころは、逆上がりができない子どもに対して体育教師が「どうしてできないんだ!」と叱責する光景が日常的に見られました。

 

できない子どもを叱ったからといって、やり方がわからないのですから、できるようになるわけがありません。私自身、そうやって教師から叱責されて、運動そのものが嫌になってしまった過去があります。

 

これは勉強でもまったく同じです。テストの成績がよくなかった子どもに対して「全然できていないじゃない。何をやっていたの?」などと問い詰めても、その子の劣等感が強くなり、ますます勉強嫌いになるだけです。

 

 親や教師の役割は、子どもに「どうすればできるか」という方法を教えてあげることです。これに関してアドラーは「劣等性を批判するのではなく、勇気づけるべきだ」と言っています。

 

京都大学名誉教授で教育心理学者の子安増生先生とお話しする機会があったとき、「結果を褒めて、行動を叱る」という認識で意見が一致したことがあります。

 

たとえば、子どもがテストでいい成績をとったら、何はともあれ評価してあげるべきです。まるで勉強をしていなかったように見えたとしても、結果に注目して認めてあげるのです。

 

テストでいい結果を出したということは、子どもなりに勉強のやり方を工夫したり、問題の解き方を発見したりしたという事実を意味します。そこを認めると、子どもは嬉しくなり勇気づけられます。次はもっといい点数を取ろうと、ますます努力するようになるのです。

 

テストで成績がよくなかったときは、あえて叱ることはしません。叱っても点数が上がるわけではないと認識してください。

 

叱るのは、あくまでも子どもの行動です。試験の結果は変えることはできませんが、テストの点が悪いのに「勉強をしない」という行動は変えることができます。

 

変えることができる行動を叱ると同時に、「こうすればできるようになるよ」とアドバイスをするようにしてください。

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アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉

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