アドラー「成功体験で喜びを感じる必要がある」
■なぜ子どもを褒めてはいけないのか
アドラー心理学では、親と子は対等な関係であることが望ましいとされます。
子どもを褒めるのは好ましい行動ではない、とアドラーは言いました。
褒めるという行為には弊害があります。
「褒める/褒められる」の関係が上下関係に結びついてしまう問題です。
たとえば、スポーツが大好きで得意にしている子がいたとしましょう。その子がスポーツを頑張ったときには、親がまったく評価しなかったのに、少しだけ勉強したときに大喜びして褒めたならば、どうなるでしょうか。
子どもは親の顔色をうかがうようになり、「親が喜ぶから仕方なく勉強をする」という意識を持つようになるでしょう。
これでは短期的に学力が伸びたとしても、いずれ頭打ちになります。勉強をするための目標を間違えているからです。
アドラーは、他人の評価を気にするのではなく、自分でやりたいことをやって成功するのが一番の理想であると考えていました。
ですから、親が子どもに勉強をしてほしいと思うなら、「親のために勉強を強いる」のではなくて、「自分のために勉強をする」という方向に導いてあげる必要があるのです。
子育て本の中には、「結果が出なくても、途中のプロセスを褒めることが重要」と解説しているものがあります。これは一見すると愛情のある働きかけのようにも見えますが、実は子どもの活力を奪う行為です。
結果も出ていないのに褒めるというのも、明らかに親が上から目線になっています。
「今回はうまくいかなかったけど、頑張ったじゃない」
「結果は残念だけど、よくやった、すごいね」
などと言われると、子どもはバカにされたような気分になるかもしれません。そして、自信を持ちにくくなります。「成功した」という確信のもとに、深く喜ぶことができないからです。
アドラーは、あくまでも成功体験を得ることで喜びを感じる必要がある、と言っています。
結果が出ていないのに褒めたところで、子どもは萎縮するだけです。
子どもの自信につながるのは、「自分は成功した」という実感です。親は、上から目線で子どもを褒めるよりも、自分の力でうまくいったという成功体験を持たせることが大切なのです。
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