子どもが親に絶望するとき
親が子どもの勇気をくじくのは、子どものやることを一方的に決めつけたときです。
「どうせ勉強をしない」
「どうせサボることだけを考えている」
「どうせゲームをする」
「どうせ悪い成績をとる」
こうした決めつけを、アドラーはベーシックミステイク(基本的な誤り)の一つだとしています。
特に問題なのが、決めつけの延長線上にある子どもへの“絶望”です。
アドラーは言います。
「母親が自分のことに絶望していると感じれば、子どもは大いに勇気をくじかれる」
「両親が子どものことで勇気をくじかれているとき、そのことは子どもにとって非常に悪影響を及ぼすということをわれわれは知っている。そのとき、子どもはあらゆる希望を失うことを正当化される。そして子どもが絶望するとき、彼の共同体感覚の最後の痕跡も失われる」
親が子どものことで絶望すると、子どもは親から見放されたと考え、未来への希望を失います。
そして、子どもにとって絶望以上につらいのが、叱られることさえない「無視された状態」です。相手にされないことほどつらいことはありません。まだ、面と向かって文句を言われているほうがましなのです。
絶望は無視につながりやすいので注意してください。
子どもに対して親のメッセージを伝えるには、何をおいても「愛されている」という実感を与えていくのが一番です。「親が自分のことを気にかけてくれている、好きでいてくれる」という確信を持っていれば、子どもは親の言葉を受け入れようとします。
愛情を注ぐといっても、特別なことは必要ありません。日々の暮らしのなかで、ちょっとした愛情を見せていけばよいのです。子どもに好きなおかずを作ってやるなど、ささいなことでも愛情は十分に伝わります。
和田 秀樹
和田秀樹こころと体のクリニック 院長
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