(写真はイメージです/PIXTA)

賃貸経営において、ときに家賃滞納が発生してしまうときがあります。そもそもなぜ、家賃滞納は起きてしまうのでしょうか。不動産法務に詳しいAuthense法律事務所の森田雅也弁護士が、家賃滞納の理由と防止法、さらに万が一家賃滞納が発生してしまった時の対処法を解説します。

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家賃滞納が発生する主な原因

家賃滞納は、賃貸不動産のオーナーにとって非常に頭の痛い問題の一つです。

 

では、そもそもなぜ家賃滞納が発生してしまうのでしょうか?
家賃滞納の原因となるパターンのうち、代表的なものを見ていきましょう。

 

うっかりミス

うっかりミスは、家賃滞納の主な原因の一つです。振込手続きをうっかり忘れて期日を過ぎてしまったり、口座振替の日にうっかり引き落とし用口座の残高が不足していたりするケースなどがこれに該当します。

 

うっかりミスは、家賃の支払いを口座振替やクレジットカードでの自動引き落としとすること、引き落とし日を事前に掲示板などリマインドすることなどで、ある程度防ぐことが可能です。

 

ただし、賃貸不動産オーナー側が支払期日に家賃が振り込まれていないことに気づかず長期間放置してしまった場合には、「少しくらいなら遅れてもよい」との誤った認識を入居者に持たせ、モラルの低下へとつながる恐れがあります。支払期日までに入金が確認できない場合には、速やかに対応するようにしましょう。

 

急な入院など不測の事態

ケガや病気などによる急な入院により、家賃が支払われない場合があります。病状などによっては、入居者本人と連絡が取れない場合もあるでしょう。このような場合に備え、万が一の際に連絡が取れる親族などの連絡先をあらかじめ確認しておくと安心です。

 

親族が保証人となっていない場合であっても、家賃を立て替えて支払ってもらえる可能性がある他、長期の入院などであれば賃貸借契約の解除などの相談が可能となるためです。また、家賃の支払いを口座振替やクレジットカードでの自動引き落としなどとしておくことで、入院中であっても家賃の支払いが滞ることをある程度防止することができます。

 

お金がなくて支払えない

家賃滞納の3つめのパターンとして、お金がなくて支払えないケースがあります。入居時には財務状況に問題がなかったとしても、入居後に退職をしたり仕事が減少したりして支払いが難しくなったような場合がこれに該当します。

 

特に、昨今の新型コロナ禍では、収入状況が大きく変わってしまい家賃の支払いが難しくなってしまった人も少なくありません。この場合は、滞納が長期化するおそれがありますので、家賃の低い他の物件への引越しを促すなど、早期の対応が必要です。場合によっては、生活保護など公的な支援制度を紹介するなどの対応が必要となることもあるでしょう。

 

支払う気がない

家賃滞納のうち、もっとも厄介ともいえるのが、そもそも支払う気がないというケースです。家賃の支払いが遅れても追い出されることまではないと安易に考えていたり、家賃滞納に対して開き直っていたりと、そのパターンはさまざまです。この場合は改善の見込みが薄いため、滞納の長期化や他の入居者への悪影響を防止するためにも早期に法的手続きを検討しましょう。

 

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本記事はAuthense不動産法務のブログ・コラムを転載したものです。

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