(写真はイメージです/PIXTA)

不動産法務に詳しいAuthense法律事務所の森田雅也弁護士が、借地権の対象となっている土地(底地)を相続するメリット・デメリットを解説するとともに、底地に関するトラブル事例を紹介します。

【関連記事】地主を縛りつける「借地権」の問題…借地人を円満に退去させる方法と条件【弁護士が解説】

「普通借地権」と「定期借地権」…それぞれの特徴

借地権とは、建物の所有を目的として、他者の土地を使用する権利です。借地権には、通常の借地権(定期借地権に対して「普通借地権」といいます)のほか、「定期借地権」が存在します。

 

借地権が生じる代表的なケースとしては、地主であるA氏が所有する土地をB氏が借り受け、その土地上にB氏名義の建物を建てる場合などが挙げられます。

 

普通借地権であっても定期借地権であっても、借り始めの際にまとまった権利金などを支払い、その後も継続的に地代を支払うことが一般的です。

 

では、普通借地権と定期借地権について、それぞれ主な特徴について解説しましょう。

 

非常に強い権利をもつ「普通借地権」

 

普通借地権とは、後ほど解説する定期借地権以外の一般的な借地権です。

 

普通借地権は非常に強い権利であり、いったん普通借地権が発生すると、いくら土地の所有者であっても、簡単には土地を返してもらうことはできません。

 

借地権者は自分のお金で借地上に建物を建てており、仮に地主の都合で急に土地を返せといわれてしまえば、建物を取り壊さなければならず非常に不都合であり、社会的にも損失であるためです。

 

また、普通借地権の存続期間は最低30年と長期にわたる上、あらかじめ契約した期間が満了したとしても、原則として契約が更新されることとなっています。

 

法律上、更新に際して地主から更新しない旨の異議を述べることは可能です。ただし、更新しない旨の地主の異議が認められるためには、正当事由が認められなければなりません。その正当事由の有無の判断においては、たとえば以下のことが考慮されます。

 

1.土地の使用を必要とする事情があること:地主が借地権の目的となっている土地を使用する事情があることが必要です
2.借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出:借地権消滅に対する対価の支払いが必要です

 

この正当事由が認められるためのハードルは非常に高く、最終的には裁判所の個別の判断となります。

 

土地上に建物を所有している借地権者は、法律上非常に強い権利を持っていることを知っておきましょう。

 

土地返却時期の見通しが立てやすい「定期借地権」

 

定期借地権とは、普通借地権とは異なり、更新のないことを原則とする借地権です。

 

定期借地権の場合、土地を借りている借地権者は、期間が満了したら建物を撤去して土地を返還しなければなりません。その反面、普通借地権と比べて権利金や地代が低く抑えられていることが一般的です。

 

借地権が定期借地権であれば、土地が返却される時期の見通しが立てやすいといえます。

 

定期借地権は、一般の住宅に設定されていることもありますが、ファミリーレストランなどのテナント用地に設定されていることが少なくありません。

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

注目のセミナー情報

​​【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』

 

【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!

次ページ借地権対象の土地は売却できる?

本記事はAuthense不動産法務のブログ・コラムを転載したものです。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録