(※写真はイメージです/PIXTA)

灘高には、同級生同士で協力して一緒に学力を高めていこうという校風があります。しかも東大合格者数日本一を争っているので、生徒同士が助け合いをして、他の学校に負けたくないという気持ちが強いそうです。意欲が高い仲間と一緒に勉強すると、お互いに刺激し合うことで、高い学習効果が得られるといいます。精神科医の和田秀樹氏の著書『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』(大和書房)で解説します。

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「努力の貴重さ」を信じさせる親の言葉

■親の学歴は関係ないよ

アドラーの父親は穀物商を営んでおり、比較的裕福な家庭だったようです。

 

父親や母親に学問の才能があったのかどうか、教育熱心だったのかどうかは、はっきりとはわかりません。

 

彼は、勉強ができないならギムナジウムをやめて職人になれ、と父親から脅かされた経験があるといいます。ギムナジウムとはドイツ国立の中等教育機関であり、大学などの高等教育機関に進むための教育が行われます。

 

ドイツでは、早い段階から高等教育と職業教育にコースを分ける制度が採用されています。どちらのコースに進むかによって、大学に進学するか、職人になるかが決まってしまうわけです。

 

アドラーは勉強して成績が向上した結果、職人の道に進むことはありませんでした。このときの実体験もあって、学力は遺伝しない、遺伝の影響を重視する考え方は有害であると繰り返し述べています。私自身、遺伝子の影響がゼロであると確信しているわけではありませんが、それほど関係はないと考えています。むしろ環境が与える影響のほうが大きいのではないかと思います。

 

私の娘たちが中学受験をしたとき、周囲の受験生の親も中学受験の経験者が多数派でした。親が受験を経験していれば、受験勉強を教えることができますし、合格するためのテクニックにも精通しています。塾の情報についても有利といえるでしょう。

 

つまり生物学的な遺伝が作用しているというより、こうしたテクニックの伝授が受験の有利不利を決めているということです。

 

少なくとも親は、遺伝の影響を信じないほうがよいと思います。

 

「パパも東大には行けなかったから……」
「親戚で東大に行っている人はいないし……」

 

などと子どもの前で口にすることで、何の得があるというのでしょうか。

 

優秀な親の遺伝子を受け継いだからといって、やはり努力しなければ才能をつぶしてしまうだけです。遺伝子よりも努力が大事であり、努力しだいで学力を伸ばすことができる、と信じさせる言葉かけを意識したいものです。

 

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アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉

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