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重要なのは受験結果ではなく高校での意識や目標
多くの中学生が塾通いをする時代に、塾なし受験を決心することは、もしかすると勇気のいることかもしれません。高校入試は人生に1回、浪人して挑戦し直すことは、選択肢にほぼありません。
文部科学省の学校基本調査によると、通信制高校も含め、高等学校への進学率は98%以上。残りは、病気や家庭の事情、就職などですから、高校浪人をしている15歳はほとんどいません。
この数字を見ると、人生にたった一度きりの大切な進路のように思えますが(もちろん大切な進路なのですが)、社会に出て「どちらの高校出身ですか?」と問われることは、ほとんどありません。時々、テレビなどでは、開成や灘出身などという肩書のクイズ王を見かけますが、一般的に学歴を問われる場合は、今なお出身大学を答えることが多いでしょう。
現実として、予備校制度などもないため、高校受験は、第一志望でなくてもどこかの高校に進み、その先の進路に向かっていくことになります。
しかし、恐らく最も重要なのは、受験の結果ではなく入学した高校での本人の意識や目標であり、入学後の行動です。もちろん、高校選びは大切ですが、その高校でどう過ごすかが最も大切であり、その後の人生がどのようにかたちづくられていくかは、どの学校にいっても入学後の自分次第、ということでしょう。
この連載を読んでくださった方は、受験を迎える中学生の保護者のみなさんが多いと思います。では、ここでみなさんに質問です。
「今まで、『塾なし受験』することを考えてみたことはありますか?」
息子が中学生になって以降、我が家では「塾にいく必要はあるのか」という疑問について、夫婦・親子で考えてきました。というのも、息子の周囲で、塾に通っていない生徒を見つけることができなかったから。これは、東京などの大都市と地方などで、もちろん差はあると思いますが、前述の「高校進学を考えている中学生の多くは塾に通っている」という現実があります。