バイデン政権の課題
(新型コロナ対策)ワクチン接種の進捗が進まない中、変異株の拡大で感染者数が急増
バイデン政権は就任翌日の21年1月21日にワクチン接種の推進、マスク着用や検査拡大による感染対策、学校再開などを盛り込んだ国家戦略を発表し、就任100日目までに1億回のワクチン接種を実現するとした。その後、ワクチン接種が順調に進捗したことから、3月下旬にはワクチン接種目標を就任100日目で2億回に引き上げた。
ワクチン接種は20年12月中旬の接種開始から21年の春先まで順調に進捗し、バイデン大統領の公約を達成したものの、21年夏場以降はワクチン接種に消極的な共和党支持者のワクチン接種が進まなかったことから、ワクチン接種のスピードは大幅に鈍化した。
その結果、足元でワクチンの2回接種率※は62.4%に留まっている[図表5]。
これは、8割近い日本を大幅に下回っているほか、G7諸国で最低である。
※ ワクチンの2回接種が終了した人の米人口に対する割合
一方、新型コロナの1日の新規感染者数(7日移動平均)は、バイデン大統領の就任時点で20万人弱となっていた水準から、ワクチン接種の進捗に伴い、6月下旬には1.2万人まで低下した。
このような状況を受けて、バイデン大統領は7月4日の独立記念日に「われわれがパンデミックと隔離の1年、痛みと恐怖と悲痛な喪失という暗黒の1年から抜け出しつつある、特別な祝日だ」と述べて平時の状態を取り戻した成果を強調した。
もっとも、夏場以降はデルタ株の感染拡大に伴い、新規感染者数はワクチン未接種者を中心に9月上旬には16万人台前半まで増加した。その後、10月下旬には6万人台前半に一旦減少したものの、その後は再び増加に転じたほか、12月下旬からはオミクロン株の感染拡大により、感染者数の増加に拍車がかかり、足元では80万人と新型コロナ流行以来の最高水準となっている。
バイデン大統領は、9月に連邦職員や一部の医療従事者に対するワクチン接種の義務化に関する大統領令に署名したほか、100人以上の従業員を雇用する企業の雇用主がワクチン接種または週1回の検査を確認するように要請した。このうち、企業向けのワクチン接種義務化については22年1月13日に連邦最高裁が義務化の執行を差し止める判断を示したことでとん挫した。
また、同大統領はオミクロン株の米国内での感染が確認されたことを受けて、12月2日に新型コロナの新たな行動計画を発表した。同計画には5歳以上の子供に対するワクチン接種の拡大や成人のワクチン追加接種の促進、無料検査の拡充などを盛り込んだ。
バイデン政権の新型コロナ対策は就任当初には評価されたものの、新型コロナの米国の死亡者数が、21年に46.3万人と20年の36.1万人を上回ったこともあって、足元では厳しい評価となっている。
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