資産1億5,000万円でFIRE「会社員なんてやらない」
「もう会社員は二度とやらない。妻や親にはそう言っていました」
そう話すのは、都内に住むAさん(仮名・45歳)。妻と小学生の子ども2人の4人家族です。 Aさんは10年以上前から投資を続け、株式や投資信託などで資産を増やしてきました。
会社員として働きながらコツコツと積み上げ、40代半ばで金融資産は約1億5,000万円に到達。生活費を考えても、資産運用だけである程度暮らしていける目途が立ったといいます。
「もともと会社員の働き方が好きじゃなかった。すし詰めの満員電車、朝から晩まで会社に縛られる生活がずっと嫌で……。だからこそ投資にも本気で取り組めたんだと思います」
Aさんは思い切って退職。いわゆる「FIRE(経済的自立と早期リタイア)」を実現しました。妻は看護師として働いており、仕事にもやりがいを感じていたため退職する予定はなし。Aさんが家事や子育てを担当しながら、新しい生活をスタートさせました。
「最初は、本当に解放感がありました。平日の昼間に散歩したり、コーヒーを飲んだり。“自由ってこういうことか”と」
ところが、そんな生活には思わぬ戸惑いもありました。
ご近所さんや子どもからの視線
平日の昼間、Tシャツにスウェットというラフな格好でスーパーへ買い物に行くと、近所の人に会うことがあります。
「お金があるから会社を辞めました、とはさすがに言えないでしょう? リモートワークとでもいえばよかったのに、『今ちょっと家にいるんで、僕が買い物担当なんです』と濁して、気を遣われたこともありました」
40代は一般的に“働き盛り”といわれる年代です。事情があって仕事を辞めたのか、あるいは何か問題があったのか――。周囲がそう想像しても不思議ではありません。
こんな出来事もありました。
「上の子に『パパはなんで会社に行かないの? ママだけ働いていて大丈夫なの?』って聞かれたんです」
子どもにとって、大人は働くもの。友達の家の父親は会社へ行っているのに、自分の父親はずっと家にいるようになった。純粋に不思議だったのでしょう。
「とっさに“自営業だよ”って答えたんですが、実際には働いていないわけで……。これはちょっとまずいな、と思いました。家にいない時間を作らないと」
そうして見つけたのは、自宅から2駅ほど離れた場所にある個人経営のコーヒー店でした。
