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勉強習慣をつけ、自分で目的を考えて勉強する
親にとって子育ては、長い旅のようなもの。私たち親は、時に楽しく時に険しい、そして、子どもが自立するというゴールまで、一緒に旅を続けます。子どもの成長とともに景色が変わり、旅の目的も変わる。巣立っていくその日まで長い旅を続けていくには、もちろんお金もかかります。
2020年春、長男は、東京都立国立高校に合格しました。都立国立高校は、国高と呼ばれる東京の都立御三家の一校です。参考までに、国立高校の2020年度の現役東大合格は15人、京大6人、一橋大18人、東工大11人で、国立難関九大学(東大・京大・一橋・東工大・北大・東北大・名大・阪大・九州大)の現役合格者は66人と、都内でトップレベルの都立高校です。(※国立高校ウェブサイト参照)
長男が小学生から中学生へと成長していく間に、感じていた違和感がありました。たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。そして、最も強く感じていたのは、「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑問でした。
実際、「パート代は全て子どもの習い事に」「塾代が高くて……」など、ため息交じりの声が周囲からは聞こえてきます。子育てや子どもの教育にはお金がかかり、削ることはためらわれがち。子どもの教育費が、家計の聖域といわれるゆえんです。
息子は、自宅から徒歩15分の地元の公立中学校に通っていました。学校の野球部に所属して、3年の夏まで、部活も頑張っていました。
「うちは、塾に通っていません」
周囲にこの話をすると、決まってとても驚かれました。学校の先生も驚き、感心していました。それほど今や、高校受験をする中学生は塾にいくのが当たり前なのです。息子のように、自宅学習で受験に挑む子はとても珍しいでしょう。
息子は決して、勉強しなくても成績がよかったわけではありません。
中学2年の三者面談で、担任の先生からは「国立高校は難しいだろう」と言われました。私たち夫婦も本人も、その頃は無理だと思っていました。でも息子は、第一志望だった国立高校と、併願受験をした私立高校全てに合格することができました。その間、塾には一度もいっていません。
息子の経験を通してわかったことがあります。
成績を上げるために大切なことは、自宅で勉強習慣をつけ、自分で目的や効率を考えて勉強すること。そして、「塾にいかずとも自宅学習で成績は上げられる!」ということです。
具体的にどんな受験勉強をしていたのか、少し気になりませんか? 知りたいと思っていただけたなら、もう「塾なし受験」への一歩を踏み出したのかもしれません。