(※写真はイメージです/PIXTA)

夫が急逝し、間を置かず舅も逝去。舅の相続人は、姑、義妹、そして亡き夫の子2人の合計4人。しかし姑は、舅が残したメモを無視し、全財産をひとりで相続します。「私が死んだらあげるから」との言葉に、長男の嫁の立場ではなにもいえません。舅の希望通りの内容で自分の子どもへ相続させる方法はあるのでしょうか。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに、生前対策について解説します。

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舅の代襲相続人のわが子は未成年、嫁は黙るしかなく…

今回の相談者は、50代会社員の伊藤さんです。伊藤さんは大学卒業後、勤務先の先輩だった夫と結婚しました。自宅は夫の実家の隣に建築し、2人の子どもにも恵まれました。子どもたちはそれぞれ大学生と高校生です。夫にはひとり妹がいますが、妹夫婦も夫の実家のそばに家を構えて暮らしています。

 

伊藤さんは、夫の両親の老後を見る覚悟で結婚しましたが、3年前、夫が突然亡くなってしまいました。しかしその後、義父は夫のあとを追うように急逝し、相続が発生しました。義父は遺言書を残していませんでした。

 

伊藤さんは、発生した義父の相続の件で気がかりなことがあり、筆者のもとに相談に見えました。

 

義父の一族は地元の地主で、広い一戸建ての自宅と賃貸ビル、数千万円の預貯金があり、相続税の申告が必要な額でした。相続人は、義母、義妹、夫の代襲相続人となる伊藤さんの2人の子どもです。

 

ある日、親族と顧問税理士が義父の書斎で書類の整理を進めていると、金庫から「伊藤家の相続について」と大きく表書きされた、立派なノートが出てきました。そこには、義父の字で日記のような文章がつづられており、ページの最後に「賃貸ビルは長男・正雄の子ども、孝史と博之の2人に等分に相続させる」と、サインペンで強調するように記されていました。

 

しかし、それを見た義母は、税理士の手からパッとノートを取り上げると、「あのビルは私がもらうの。あの子たちのものになるのは、そのあと!」といいました。

 

その後の打ち合わせで、税理士からも、義母が相続したほうが節税になるとのアドバイスがありました。伊藤さんはなにもいえないまま、義母の言葉に従いました。

 

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本記事は、株式会社夢相続のサイト掲載された事例を転載・再編集したものです。

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