自宅の土地と建物を複数人で共有していると、将来の相続や同居の問題が発生しやすくなります。寧々さん(45歳)は母親と実家に住んでいますが、名義が母親、姉、夫と分かれており、姉が将来戻ってくる可能性も。姉との同居や不動産の共有をどう解決すべきか……。相続実務士の曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が詳しく解説します。
自宅土地を3人で共有
寧々さん(48歳・女性)の母親は80歳。4階建ての自宅で、寧々さんの家族と同居しています。寧々さんにはサラリーマンの夫と高校生の息子が1人です。
自宅の土地は母親が51%、姉が19%、寧々さんが30%の割合で共有しています。4年前に父親が亡くなったとき、姉の希望もあり、全員で相続しました。
姉は海外に住んでいて、現在同居はしていませんが、独身で動きやすいこともあり、仕事をリタイヤしたあとは戻ってくるかもしれません。
建物の半分は夫名義
母と寧々さんの家族が同居するにあたり、10年前に実家の建物を建て替えています。
父親が健在なときで、4階建ての3・4階は自宅部分として父親が費用負担をし、1階と2階は寧々さんの夫がローンを借りて、5世帯のアパートとしました。フロアによって父親と寧々さんの夫の名義を登記しました。
この建物も父親が亡くなったとき、土地と同様に姉が100分の11を登記しました。母親が100分の41、寧々さんが100分の10、寧々さんの夫が100分の38と複雑な登記になっています。
株式会社夢相続代表取締役
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
相続実務士®
株式会社夢相続 代表取締役
一般社団法人相続実務協会 代表理事
一般社団法人首都圏不動産共創協会 理事
一般社団法人不動産女性塾 理事
京都府立大学女子短期大学卒。PHP研究所勤務後、1987年に不動産コンサルティング会社を創業。土地活用提案、賃貸管理業務を行う中で相続対策事業を開始。2001年に相続対策の専門会社として夢相続を分社。相続実務士の創始者として1万4400件の相続相談に対処。弁護士、税理士、司法書士、不動産鑑定士など相続に関わる専門家と提携し、感情面、経済面、収益面に配慮した「オーダーメード相続」を提案、サポートしている。
著書86冊累計81万部、TV・ラジオ出演358回、新聞・雑誌掲載1092回、セミナー登壇677回を数える。著書に、『図解でわかる 相続発生後でも間に合う完全節税マニュアル 改訂新版』(幻冬舎メディアコンサルティング)、『図解90分でわかる!相続実務士が解決!財産を減らさない相続対策』(クロスメディア・パブリッシング)、『図解 身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本 2025年版 』(扶桑社)など多数。
◆相続対策専門士とは?◆
公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp) 認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。
「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。
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