会話も身なりもきちんとしていた67歳の不動産オーナー。確定申告の打合せのため、会計事務所の担当者がオーナーを久しぶりに訪ねると、辺りに空き缶やワインボトルが転がり、様子がおかしくなっていました……のぞみ総合事務所代表司法書士の岡信太郎氏が、実際のエピソードをもとに不動産オーナーが陥った深刻な「お金のトラブル」を紹介します。

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酒の匂い、かみ合わない会話…「激変」したオーナー

確定申告の打ち合わせのため、中園さん(67歳、男性)を訪ねた会計事務所の前川さん(34歳、男性)はその姿に啞然としてしまいました。

 

何度もインターホンを鳴らし、ようやく現れた中園さん。久し振りに会えたかと思うと、お酒の匂いをプンプンさせています。昼間からお酒を飲んでいるのは、明らかです。それどころか、パジャマ姿のままで髭も伸びっ放しの有り様です。

 

1年前に会ったときとは、まるで別人のようです。以前の中園さんでは、とても考えられない様子なのです。

 

前川さんの知る中園さんは、身なりもきちんとし、髪はいつも整髪料で整えていました。どうしてここまで変わってしまったのか、さっぱり分かりません。今までのイメージとは違う中園さんが、そこにはいたのです。

 

前川さんは仕事で来ているので、いつまでも驚いてばかりはいられません。前川さんは平常心を取り戻し、申告の準備を進めようと気持ちを改めました。部屋の中に入れてもらうことはできたので、申告の打ち合わせに入ろうとしました。

 

ここでも、これまでと違う中園さんを目にすることになります。以前であれば、申告用の資料を事前にまとめてくれていました。ところが、中園さんは、「で、今日は何?」とまったく要領を得ません。

 

「申告のためのアパートに関する資料を受け取りにきました」と伝えるも、「そうやったかね」と上手く話がかみ合いません。

 

前川さんは、暗澹たる気持ちになりました。部屋を見渡すと、ビールの空き缶が机の上に並べられています。ワインのボトルがコレクションの如く、部屋の隅に並んでいます。

 

恐らく今回はお酒で意識が朦朧としているから肝心なことを忘れているだけだ、と前川さんは今日は諦め出直すことにしました。

 

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    本記事は、岡信太郎氏の著書『財産消滅~老後の過酷な現実と財産を守る10の対策~』(ポプラ社)から一部を抜粋し、再編集したものです。
    ※登場人物は全て架空の人物であり、守秘義務に反しないようにストーリーを展開しています。

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