誰か代わって…認知症が進んだ義姉を支える妹の「悲痛な」心の叫び【司法書士の実録】

いつも支えあってきた仲良しの義理姉妹。姉の認知症進行が深刻になり、「老々介護」状態になってしまいました。のぞみ総合事務所代表司法書士の岡信太郎氏が、実際のエピソードをもとに高齢の姉妹が陥った「深刻な末路」をみていきます。

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仲良し義姉の様子が変…「老々介護」も限界に

仲良しな2人はいつも一緒でした。手島さん(78歳、女性)と板垣さん(74歳、女性)は、一緒に買い物に出かけお茶をして帰るのが日課となっていました。困ったことがあれば、お互いに助け合う仲でした。

 

2人の間柄ですが、板垣さんは手島さんの弟の妻で、義理の妹となります。年齢が近いこともあり、非常に良好な関係をこれまで築いてきました。手島さんは独身で、母親が亡くなってからは一人暮らしをしています。

 

板垣さんは、10年前に夫と死別しました。突然のことだったので、板垣さんは非常にショックを受け落ち込んでいました。その時、心の支えとなったのが手島さんでした。四十九日が終わった後も、度々板垣さんの家を訪れ親身になって相談に乗ってくれました。

 

このような経緯もあり夫亡き後も信頼関係を築いていたのですが、最近はこれまでとは様子が違ってきています。

 

というのも、手島さんが自身に関することを何でも板垣さんに任せるようになってしまったのです。先月も、手島さんの庭の草取りを板垣さんが行うことになりました。「お義姉さん、梅雨入り前に草刈りをした方がいいんじゃない?」と伝えると、手島さんは、「この前したばかりよ」と意味不明なことを口にします。

 

板垣さん1人ではどうにもならないので、業者を手配し草刈りや剪定を行ってもらいました。その後1カ月経って、作業が終わったはずの業者から連絡が板垣さんに入りました。

 

「あのー、まだお支払いがないようなのですが……。請求書は、手島様の自宅の方にお送りしています」と言われ、板垣さんは嫌な予感がしてきました。手島さんのところに行き、請求書のことを確認すると、「分からない」と手島さんは繰り返します。

 

結局、請求書を再度発行してもらい、板垣さんが代わりに支払いを行いました。それ以降も、公共料金の支払いや病院への付き添いにも板垣さんが対応せざるを得ない状況が続いたのです。

 

最初の頃は、お互い様という気持ちで動いていました。ところが、だんだんと板垣さんは負担を感じるようになってきました。

 

というのも、最近は持病の腰痛が悪化し、自分自身の治療に専念しなければならないからです。貧血もひどくなり、以前のようには動けないので、手島さんのお世話をすることに限界を感じます。

 

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司法書士のぞみ総合事務所 代表司法書士

1983年、福岡県北九州市生まれ。司法書士、合気道家、坂本龍馬研究家。

関西学院大学法学部卒業後、司法書士のぞみ総合事務所を開設。相続・遺言・成年後見業務などを中心に、精力的に活動を続けている。著書に『子どもがなくても老後安心読本』(朝日新聞出版)、『坂本龍馬 志の貫き方』(カンゼン)、監修に『新版 身内が亡くなったあとの「手続」と「相続」』(三笠書房)がある。

著者紹介

連載司法書士が解説!「認知症老人」を取り巻く“おカネ周りの”過酷な現実

本記事は、岡信太郎氏の著書『財産消滅~老後の過酷な現実と財産を守る10の対策~』(ポプラ社)から一部を抜粋し、再編集したものです。
※登場人物は全て架空の人物であり、守秘義務に反しないようにストーリーを展開しています。

財産消滅 老後の過酷な現実と財産を守る10の対策

財産消滅 老後の過酷な現実と財産を守る10の対策

岡 信太郎

ポプラ社

5年後には「65歳以上の5人に一人が認知症を発症する」といわれている昨今の超高齢社会。認知症は介護などの生活面だけではなく、資産運用や契約など財産面にも大きな影響を与えます。 多くの認知症患者の成年後後見人として…

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