(※写真はイメージです/PIXTA)

資金調達アドバイザーの田原広一氏は、金融機関が“貸したくなる”条件とタイミングを知り、そこに向けた備えさえしっかりしていれば、誰でも資金調達が可能と語ります。融資を受ける最大のチャンスは決算書なしで借りられる「創業前」であり、創業して間もない社長にオススメの金融機関こそ「公庫」です。ただ「借りやすい」だけではない、公庫で融資を受けることのメリットについて見ていきましょう。

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創業融資を受けるなら「公庫」がオススメ

一口に金融機関といっても、世のなかにはさまざまなタイプの金融機関があります。

 

大別すると民間の金融機関と政府系金融機関の2つがあります。前者がおなじみの都市銀行、地方銀行、さらに信用金庫や信用組合で、後者が日本政策金融公庫(以下、公庫)です。

 

これから開業する会社や個人事業主がまず当たるべき金融機関はどこかというと、公庫です。次いで、借りやすさでは信用金庫や信用組合、そして地方銀行、都市銀行の順番になります。

 

なぜ公庫が創業して間もない社長にオススメかというと、その理由は公庫の成り立ち、役割にあります。

 

政府系金融機関と呼ばれるとおり、公庫は政府が100%出資する金融機関です。その役目は、民間の金融機関では融資を受けることが難しい個人事業主や中小企業をサポートすること。政府が管轄する貸付専門の金融機関として、国の政策のもと、中小企業へのセーフティネット貸付や創業支援などで、日本経済の下支えをすることがミッションとなっています。

 

公庫の融資先の内訳を見ると、大半が従業員10人未満の個人事業主や中小企業で、1社あたりの平均融資額は600~700万円程度。毎月2~5万件ほどの融資を実施しています。金利水準は1~2%台と低く、資金をはじめ経営リソースが乏しい小さな会社の力強い味方となっています。

公庫の「無担保・無保証で利用できる融資制度」2つ

公庫の特徴は借りやすさだけではありません。創業時に公庫から融資を受けるべき理由はほかにも大きく2つが挙げられます。

 

一つ目が、創業時に、無担保・無保証で利用できる融資制度として「新創業融資制度」「中小企業経営力強化資金」の2つの制度が用意されていることです。

 

国を挙げて企業の開業率アップが目標に掲げられるなか、政策に従って、金利の優遇や制度の拡充も年々、推進される傾向にあります。

 

それぞれの内容について、見ていきましょう。

次ページ2つの融資制度の特徴・融資額・条件など

※本連載は、田原広一氏の著書『賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

増補改訂版 独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣

増補改訂版 独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣

田原 広一

幻冬舎メディアコンサルティング

資金調達のノウハウが知りたい経営者、必読!  起業の喜びも束の間、会社の存続をかけ資金繰りに頭を悩ます日々…。創業から1年以内に約3割の企業が廃業するといわれているなか、生き残るために必要な融資の知識とその活用…

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