(※写真はイメージです/PIXTA)

資金調達アドバイザーの田原広一氏は、金融機関が“貸したくなる”条件とタイミングを知り、そこに向けた備えさえしっかりしていれば、誰でも資金調達が可能と語ります。融資を受ける最大のチャンスは決算書なしで借りられる「創業前」であり、創業して間もない社長にオススメの金融機関こそ「公庫」です。ただ「借りやすい」だけではない、公庫で融資を受けることのメリットについて見ていきましょう。

どちらをどう選ぶべき?

では、どちらを、どう選ぶべきかというと、新創業融資制度は創業2期(年)以内という条件を満たす会社、個人事業主のみが申込みできる制度です。そのほかの条件を満たせば、自分自身で電話をして申込むことも可能なので、自分ですべて手続きをしたいと考えるならばこちらを選ぶことになります。

 

これに対し、中小企業経営力強化資金は創業7年以内の事業者であれば申込みは可能です。ただし、認定支援機関を通さないと申込むことはできません。

 

公庫には、支店決裁権と本社決裁という2通りの考え方があり、公庫のウェブサイトに記載されている融資限度額は本社決裁の額です。現実には、創業2年以内で本社決裁まで進むケースはほとんどなく、1000万円以内で決まるケースがほとんどです。経営計画を立てる際は、公庫から1000万円以上の融資を受けることを前提としないよう注意してください。

 

公庫のメリットとしては、ほかの金融機関に比べてスピード感をもって決裁が下りることも挙げられます。平均して2~3週間ぐらいで審査結果が分かり、申込みから融資されるまでの期間を含めると1ヵ月~1ヵ月半程度になります。そのほかの金融機関、信用金庫の場合、手続きも複雑になり、融資実行までに一般的に2ヵ月~3ヵ月程度がかかります。

 

もう一つ、最初に公庫で融資を受けるメリットとして、一度目の融資の審査にパスし、きちんと返済している場合、ほかの金融機関からの評価が上がり、その後、信用金庫などからの借入がしやすくなることが挙げられます。

 

一回目の借入を公庫で実践し、しっかりと事業で成功させることが、民間の金融機関からの借入の布石にもつながるのです。

 

 

田原 広一

株式会社SoLabo 代表取締役

 

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※本連載は、田原広一氏の著書『賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

増補改訂版 独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣

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田原 広一

幻冬舎メディアコンサルティング

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