(※写真はイメージです/PIXTA)

「新築マンション vs. 中古マンション」。新築信仰が根強い日本ですが、どちらにもメリット・デメリットが存在します。7年間で約500件の不動産取引の経験を持つグランドネクスト株式会社代表・小島優一氏が解説していきます。

価格は新築・中古とも「上昇」…高すぎる裏に潜むのは

■新築マンションと中古マンションの価格の違い

新築マンションと中古マンションの価格が、どれくらい違うのかですが、新型コロナによる緊急事態宣言で一時的に落ち込んだ不動産の価格は、2021年12月現在も、回復を超えて上昇し続けている状況です。マンションも新築、中古ともに価格が上昇しました。

 

首都圏の新築マンションの平均価格は、2021年7月時点で7,452万円、中古マンションの平均価格は、同年7月~9月で3,897万円です。

 

マンションの立地や部屋の広さ、設備などによって価格が異なるため一概にはいえませんが、新築マンションの価格は中古の倍近くになっています。

 

■新築マンションはなぜ高い?

首都圏のマンションの価格は、新築と中古とで大きな差がありますが、新築マンションの価格がこれほど高いのは、いくつか理由があります。

 

まず理由としてあげられるのが、日本では「新築信仰」ともいえる、新築に対する評価が他の国に比べて高いことです。新築であるということがマンションに多大な価値を与えるため、高い売り出し価格でも売れるという背景があります。

 

この「新築信仰」につながりますが、新築マンションの価格には、マンションそのものの価値にマンションのディベロッパーや販売会社の利益が上乗せされていることも、新築価格が高くなる理由のひとつです。

 

さらに、今、不動産市場に出回っている中古マンションが建築された頃に比べて、首都圏におけるマンション建築に適した土地が非常に少なくなっていること、また建築材料費や人件費などが高騰していることも、新築価格が高くなる理由だといえるでしょう。

 

■マンションの購入費用は新築が安い?

新築マンションと中古マンションを比較すると、確かに物件の価格は新築のほうが高いですが、仲介手数料がなくなる分、購入にかかる費用は新築のほうが安くなります。

 

マンションをはじめとする不動産を購入する際には、さまざまな費用や税金がかかります。そのなかでも大きな割合を占めるのが仲介手数料です。一般的には、宅建業法で定められている上限額、取引価格×3%+6万円+消費税を不動産会社に支払います。

 

たとえば、中古マンションを4,000万円で購入した場合、不動産会社に支払う仲介手数料の額は、(4,000万円×3%+6万円)×1.1=138万6,000円です。

 

しかし、新築の場合だと不動産会社による「仲介」ではなく、通常マンションの分譲会社から直接購入することになるため、仲介手数料がかかりません。

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