(※写真はイメージです/PIXTA)

実家のマンションで父親が急逝したAさん。その部屋を売ろうと不動産会社へ行くと、事故物件だと言われてしまいます。死因を問わず、人が亡くなった部屋は事故物件になってしまうものなのでしょうか。人が亡くなった部屋の売却で気をつけたいこと、とあわせて、グランドネクスト株式会社代表・小島優一氏が解説していきます。

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よく聞く「事故物件」…具体的にどんな物件を指す?

Aさん(52歳・自営業)の父親が、自宅マンションの浴室で、持病のため急死しました。父親と2人で住んでいた母親は、独居を避けて施設に入ることを決めます。そこで、誰も住まなくなる実家マンションを売ろうと、Aさんは不動産会社に査定を依頼しました。

 

しかし不動産会社から、「人が亡くなったマンションは、事故物件とされて価値が下がり、相場よりもかなり安くなる」と言われてしまいました。病死でも事故物件にされてしまうのか?と、Aさんは査定結果に疑問を抱いています。

 

◆事故物件について

 

ではまず、事故物件とはどのようなものを指すのかについて解説していきます。

 

 

 

事故物件という言葉はよく耳にするものの、何となく「怖い」「いわくつき」といったイメージしか持っておらず、具体的にどのようなものが事故物件なのか実際のところ知らないという方が大半です。ここで、事故物件に関する疑問を一つずつ明確にしていきましょう。

 

◆事故物件に付いてくる「告知事項」とは?

 

マンションに限らず、事故物件には「告知事項」という情報が付いてきます。ただ、告知事項があるからと言って、必ずしも事故物件であるわけではありません。

 

告知事項とは、その不動産について事前に伝えておくべき、買主の購入決定を左右する事項のことです。買主がマンションや家を購入し引き渡しを受けてから、「こんな物件とは知らなかった」とトラブルに発展することがないように定められています。

 

告知事項は、対象の不動産のマイナスとなる事柄がほとんどです。おもな種類には、次のようなものが挙げられます。

 

※ 瑕疵(かし)とは、不具合や欠陥などを意味する言葉です。

 

●物理的瑕疵

 

雨漏りがする、シロアリの被害があるなど、建物や設備などに不具合や欠陥、問題がある場合。

 

●心理的瑕疵

 

自殺や殺人があった場合や、近くに住みたくないと思う施設(墓地、暴力団事務所など)がある場合。

 

●環境的瑕疵

 

工場などの悪臭や騒音がする施設や、交通量が多く振動や音がする幹線道路が近くにある場合。

 

●法的瑕疵のある物件

 

法律や条例などにより、建築に制限がある場合。

 

人が亡くなった家やマンションは、心理的瑕疵に該当します。

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