(※写真はイメージです/PIXTA)

認知症=アルツハイマー型と認識している人が多くいます。実際は、さまざまな種類があり、「治り得る認知症」も存在するのですが、医師ですら見逃してしまうことが少なくありません。ここでは医療法人昭友会・埼玉森林病院院長の磯野浩氏が、代表的な4つの「治り得る認知症」について解説していきます。

 

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治療のチャンスを逃さない…4つの「治り得る認知症」

認知症の症状が出る病気のなかには、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症などの、現代の医学では残念ながら完治させることができない病気がある一方、早期に適切な治療を行えば症状が劇的に改善する「治り得る認知症」もあります。

 

代表的なものに、正常圧水頭症、脳腫瘍、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症があります。いずれも記憶力の低下や歩行障害、生活に支障をきたす混乱といった、進行したアルツハイマー型認知症に見られるのと同様の症状を呈するため、混同されがちです。

 

しかし認知症で受診した人の約1割が、これらの「治り得る認知症」であるとの報告もあります。

 

認知症は治らない、と思い込んで放っておくと、治療のチャンスを逃してしまいます。

 

画像検査ですぐに鑑別できる病気もありますので、もっと一般にこれらの病気の存在が知られ、もしかしたらと思ったら受診に結びつけられるようになることが、治る認知症を放っておかないために重要と考えます。

 

●正常圧水頭症

 

治る認知症の代表格です。何らかの原因で脳と脊髄の表面を循環している脳脊髄液が滞留し、脳室が拡大する病気です。

 

おもな自覚症状に「歩行障害」「尿失禁」とともに「認知症」も挙げられます。これらが急に進行した場合は、正常圧水頭症が疑われます。

 

また、この病気はパーキンソン症候群を合併しやすくなるため、無表情になったり声が単調になったりするパーキンソニズムと呼ばれる状態になることも特徴的です。

 

特に、認知機能の低下がそれほどでもないうちから尿失禁が見られる場合は、正常圧水頭症の疑いが強いといえます。しかし一方で、高齢女性の場合は特に腹圧性の尿失禁が起こりやすいこともあり、年のせいと見過ごされて発見が遅くなる恐れもあります。

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    ※本連載は、磯野浩氏の著書『認知症診断の不都合な真実』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    認知症診断の不都合な真実

    認知症診断の不都合な真実

    磯野 浩

    幻冬舎メディアコンサルティング

    超高齢社会に突入した日本において、認知症はもはや国民病になりつつあります。そんななか、「認知症」という「誤診」の多発が問題視されています。 高齢者はさまざまな疾患を併せ持っているケースが多く、それらが関連しあ…

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