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年齢を重ねると「精神疾患にかかりやすくなる」ワケ
認知症に限らず、高齢になるとさまざまな疾患にかかりやすくなります。そのなかでも特に注意すべきは精神疾患です。
というのも、多くの喪失体験といった環境要因のうえに加齢により神経系も老化し、思考や感情のコントロールに関わる神経伝達物質や脳内ホルモンの分泌が低下することなどにより、精神面のバランスを崩しやすく、体の病気や服薬なども精神疾患の発症リスクを高めるからです。
一見、認知症かなと思われる症状を呈していても、調べてみると認知機能の低下ではなく、ほかの精神疾患であることが分かるケースは少なくありません。
例えば意識障害といって、簡単にいえば、意識がもうろうとして、思考力や判断力が鈍っている状態になると、自分が今いるところが分からなくなる、幻覚が出て突然叫び出すなどの、認知症でも見られる症状を呈することがあります。
また、うつ病やうつ状態などで脳の活性が低下していても、もの忘れがひどくなったり、今までできていたことができなくなったりします。
こうした精神疾患は、認知症と併せもっている場合もよくありますし、精神疾患から認知症へ移行する場合もあります。
ここで大切なのは、認知症であってもそうでなくても、本人が生活に支障をきたし、家族がフォローに困るような症状は放っておかない、ということです。特に次に挙げる病気は、医療機関で適切な治療を受けることで、劇的な症状の改善が見込まれますので、家庭で抱え込んではいけません。
ここでは特に間違えやすい疾患として「せん妄」「老人性うつ」「妄想性障害」の3つを挙げました。