(※写真はイメージです/PIXTA)

社会の超高齢化に伴って、今後、認知症有病者の増加は深刻な社会問題になっていきます。早期の発見・治療が重要ですが、「年のせいだから…」となかなか受診しないケースが多いようです。ここでは、家族が認知症かも?と思ったらまずどうすればよいのか、医療法人昭友会・埼玉森林病院院長、認知症専門医の磯野浩氏が解説していきます。

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    超高齢化で「認知症」有病者は増加…「国の施策」

    超高齢化の傾向は当面続き、認知症有病者も今後しばらくは右肩上がりと予測されています。

     

    なかでも、統計にあらわれてこない潜在的な認知症有病者の増加は、深刻な社会問題になることが考えられます。早期に気づかず、あるいは気づいていてもなかなか受診に至らなかったために、効果的な治療や十分なケアが行われないまま進行すると、介護者への身体的、精神的負担が大きくなるだけでなく、国全体の医療・介護費の圧迫に直結するからです。

     

    早期発見、早期治療は国の認知症対策にとってもますます、重要になっていくといえます。

     

    メディアでも昨今、啓発されていますが、現実には、相当症状が進んでいても、本人はおろか家族も認知症と認めたがらず、「年のせいだから」と受診せずに抱え込んでいるケースが非常に多いことも見過ごせません。

     

    認知症は少しずつ進行し、時間の経過に伴いさまざまな症状があらわれます。そのため、家族などの周囲の人にとっては、どこまでが単なるもの忘れで、どこからが医療を必要とする認知症なのか、その判断が非常に難しいのです。

     

    そして、本人の言動が認知症によりおかしくなっていても、何かしらの形で毎日のようにそれがあらわれていると、家族もだんだんその状況に慣れてしまい、「これはおかしい、医者に診せなければ」と思い至りにくくなるものです。

     

    まずはかかりつけ医に相談を、と思っても本人がなかなか行きたがらない、ということもままあります。

     

    このような状況を好転させるために、国の施策の一つとして設置されているのが認知症初期集中支援チームです。

     

    名前が示すとおり、認知症の初期の段階で速やかに対応することを目的とした多職種チームで、医療や介護、行政等の専門家により構成されています。

    次ページ「家族が認知症かもしれない」と思ったら…

    ※本連載は、磯野浩氏の著書『認知症診断の不都合な真実』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    認知症診断の不都合な真実

    認知症診断の不都合な真実

    磯野 浩

    幻冬舎メディアコンサルティング

    超高齢社会に突入した日本において、認知症はもはや国民病になりつつあります。そんななか、「認知症」という「誤診」の多発が問題視されています。 高齢者はさまざまな疾患を併せ持っているケースが多く、それらが関連しあ…

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