支払額が2倍に…「更新型」保険を選んではいけない
「乗り継ぎ」より「直通」のほうがおトクな列車運賃
列車の運賃でも航空運賃でも同じだが、一般的に費用は乗り継ぎよりも直通の方が経済的なのは常識だ。
たとえば、新幹線(のぞみ)で東京から博多に行くとき、直通の切符であれば23,390円(運賃+特急指定席料金)かかる。これを東京―新大阪―博多と新大阪で1回乗り継ぐと
になり、6,930円も高くなる。さらに、東京―名古屋―新大阪―広島―博多と3回乗り継ぐと、
になり、直通よりも14,530円(率にして約60パーセント)も高くなる※。
※(令和3年〈2021年〉12月現在の運賃・料金による)
「乗り換え」がある更新型保険
生命保険もこれと全く一緒で、乗り換えれば乗り換えるほど、多い保険料を払わされることになる。たとえば次の例を見ていただきたい。
いま35歳の男性が、たとえば90歳まで、保険料が一番安い(と思っている)「定期保険」で死亡保障を得ようとした場合の、AコースとBコースの2つのコースを比較してみよう。
Aコースは、東京から博多まで直通で行くのと同じように30歳から90歳まで、乗り換えなしの一直線の保険に加入した保険料を計算している。Bコースは、「更新」の繰り返しで目的地へ行くコースの料金を表している。
上記の[図表1]の計算のように、保険でも「直通」で行く方が断然安く済む。
乗り換えがある「更新型」保険は、「直通」型保険の約2倍の保険料を払うことになり、さらに言えば1,000万円の保障のために1,657万円を払う、バカげた保険になる、ということだ。結局高くつくことがおわかりいただけると思う。ここに載せた例は15年ごとに更新の保険であるが、一般的に多い「10年更新型」なら、もっと多い保険料になる。
でも、この2つの保険料の計算を見て、さらに気が付いたことはないだろうか。
スタートの30歳の保険料を見ていただきたい。
・Aコース……毎月10,790円
・Bコース……毎月2,600円
Aコースと比べれば、Bコースのスタートは実に約24パーセントの保険料で済んでしまうのだ。
ここに目を付けた保険屋さんは保険料を安く見せかけるテクニックの1つとして、将来はどうなるか一切言わないで、「更新型の方が安いですよ」と、絶対にBコースを勧めてくる。
そして「更新型」の保険に入ると、ドロ沼に足を取られるのと同じように抜け出せなくなるし、抜け出そうと思ったときには過ぎた年齢分だけ保険料も高くなっていて、にっちもさっちも行かなくなる。
「更新型保険」には絶対に入るな
このように、生命保険は、「今の保険料がいくらなのか、高いか安いか」だけではなく、全体像(長期的な先のことまで)を見渡して、判断しなくてはいけない商品だ、ということがおわかりいただけると思う。
そして「更新型」の保険に加入してしまうと、あなたの財布からは知らず知らずのうちに、不必要なお金が保険会社の懐に移動することになってしまうのだ。
・「更新型保険」には絶対に入らないこと。
・「更新型保険」を販売している保険会社には近寄らないこと。
この2つを守れば、それだけあなたの財布は健康に過ごせることになる。
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