(※画像はイメージです/PIXTA)

投資家の間では「障がい者グループホームは利益を生まない」という考えが、半ば常識化しています。また、福祉で収益を上げるという発想を敬遠することからも、詳細な検証が行われることはほとんどありませんでした。しかし、新築の介護包括型グループホーム(定員10人)というケースを想定して試算を行い、定員3人(個室3つ)の介護包括型グループホームと比較したところ、想像以上の収益が出るという結果が見えてきました。

表5で人件費、6で損益通算を確認

5.人件費を見ます。

 

 

この施設では管理者がサービス管理責任者を兼務しており、サービス管理責任者としての給与が

 

1時間あたり1800円×160時間=28万8000円……①

 

入居者が多く世話人の数が増えたため、世話人の労働時間も増えています。

 

1時間あたり950円×約388.6時間=36万9143円……②

 

また、障がい支援区分3の入居者が5人いるため、生活支援員の配置が必要になりました。その人たちの人件費が

 

1時間あたり1000円×約95・2時間=9万5238円……③

 

夜勤者の給与が

 

1時間あたり1188円×約210時間=24万9375円……④

 

①~④をトータルした人件費の総額は100万1756円となります。

 

これに13%の福利厚生費がかかるとして

 

100万1756円×0.13=13万228円

 

人件費合計額は113万1984円です。

 

総収入に対する人件費率は

 

113万1984円÷208万4892円≒0.543

 

54.3%まで下がりました。

 

6.損益通算をしてみましょう。

 

 

総収入208万4892円−人件費113万1984円−その他固定費9万円−その他変動費32万4000円=53万8908円

 

利益の額は月額53万8908円という試算結果となりました。年額にすると646万6896円です。

 

入居定員3人の試算結果による月額マイナス8万9424円・年額マイナス107万3088円と比べると、スケールメリットが活かされていることが分かります。

 

 

さらにこれを2棟運営した場合には、管理者とサービス管理責任者がそれぞれ兼務できるので、その分の人件費が浮き、収益は2倍以上になってきます。

 

 

岩崎 弥一
アルカスコーポレーション株式会社 代表取締役
南砺市商工会 副会長

 

【関連記事】

税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

安定した収益&社会的意義を両立 福祉施設経営のススメ

安定した収益&社会的意義を両立 福祉施設経営のススメ

岩崎 弥一

幻冬舎メディアコンサルティング

2012年の障害者総合支援法の制定により、障がい者が暮らす場所として「障がい者グループホーム」の数が増えることが期待されていましたが、供給率は障がい者の総数に対してわずか6%というのが実態です。そこには、あまり利益…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧