(※画像はイメージです/PIXTA)

障がい者グループホームは利益が出にくいというのが、これまで投資家の間の共通認識でしたが、事業規模を拡大することで問題解決が可能となります。ここでは、具体的な数値を用いた試算により、定員を増やすことでどこまで収益が拡大するか明示していきます。

【関連記事】社会貢献と事業収益を両立する「障がい者グループホーム」経営

日中サービス支援型&定員増で、収益はさらに増える

日中サービス支援型の場合を見ていきます。定員が20人と、より多くなること、入居者の障害が中重度なので支援費単価が高いことなどから、収益はより大きくなります。

 

 

結論からいいますと、利益の額は月額227万3313円、年額にすると2727万9756円という試算結果になりました。

 

介護包括型グループホームの試算結果は月額53万8908円、年額646万6896円なので、日中サービス支援型のほうが月額にして173万4405円、年額にすると2081万2860円多く、4.2倍の収益が上がることになります。

 

もちろんこの試算では建物のローン返済額や固定資産税の額を考慮していないので、手残りの額に同様の差が出るとはいい切れませんが、スケールメリットが活かせる分、事業として大きなものになることは理解してもらえると思います。

杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>

障がい者グループホーム(日中サービス支援型)の試算

下記の条件で試算を進めます。

 

障がい者グループホーム(日中サービス支援型)

地上2階建

全10戸

併設短期入所0戸

稼動日数30日

稼働率100%

●表1~4で「収入」を確認

1~4までが収入です。

 

1.基本支援金の額です。

 

このホームには障がい支援区分3の人が10人、4の人が10人とすると、

 

区分3…(6500円×8日+5630円×22日)×10人=175万8600円

区分4…(9070円×8日+7120円×22日)×10人=229万2000円

 

合計すると405万600円となります。

 

地上2階建 全10戸 併設短期入所0戸 稼動日数30日 稼働率100%

 

2.基本支援金に加算される部分を計算します。

 

下記の「3.短期入所」にあるとおり、短期入所が10人いたので、福祉専門職員配置等加算Ⅲの利用人数は「定員20人+短期入所者10人」の合計30人となります。

 

1日40円×利用者30人×稼働日数30日=3万6000円

 

処遇改善加算Ⅰが30万2408円です。

 

 

3.短期入所

 

日中サービス支援型には短期入所があります。

 

それぞれの項目を計算して合計すると15万8400円。そこに処遇改善加算Ⅰの1万930円が加算されて、16万9330円となりました。

 

 

4.入居者から支払われる金額

 

新築物件なので家賃設定を4万円にしました。

 

家賃4万円+管理費1万800円+食費2万1600円=7万2400円

 

入居者一人につき家賃補助1万円が出るので、入居者が払う金額は1万円少なくなりますが、事業者が受け取る額は7万2400円のままです。

 

7万2400円×20人=144万8000円

 

これに短期入所の収入が加わります。

 

1日あたり3296円×20日×2人=13万1840円

 

合計すると157万9840円となります。

 

 

1~4をトータルした結果、総収入は613万8178円ということが分かりました。

 

杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>

次ページ「人件費」と「損益通算」を確認
安定した収益&社会的意義を両立 福祉施設経営のススメ

安定した収益&社会的意義を両立 福祉施設経営のススメ

岩崎 弥一

幻冬舎メディアコンサルティング

2012年の障害者総合支援法の制定により、障がい者が暮らす場所として「障がい者グループホーム」の数が増えることが期待されていましたが、供給率は障がい者の総数に対してわずか6%というのが実態です。そこには、あまり利益…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧