(※画像はイメージです/PIXTA)

投資家の間では「障がい者グループホームは利益を生まない」という考えが、半ば常識化しています。また、福祉で収益を上げるという発想を敬遠することからも、詳細な検証が行われることはほとんどありませんでした。しかし、新築の介護包括型グループホーム(定員10人)というケースを想定して試算を行い、定員3人(個室3つ)の介護包括型グループホームと比較したところ、想像以上の収益が出るという結果が見えてきました。

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新築物件で定員が10人に増えると、収益は10倍以上に

投資家の間では、「障がい者グループホームは利益が出ない」と囁かれています。以前掲載した記事、『利用者も経営者も幸せにする「障がい者グループホーム」運営』では、その裏付けについて検証しました。

 

 

ここでは、規模が大きくなったらどうなるのか、新築の介護包括型グループホーム(定員10人)をモデルとして試算しました。するとその結果、1ヵ月の収支は53万8908円、年額にすると646万6896円となりました。

 

『利用者も経営者も幸せにする「障がい者グループホーム」運営』で取り上げた定員3人の包括型グループホームに比べると、月額で62万8332円、年額にすると753万9984円多いという試算結果です。

 

「グループホームは規模が大きくなると収益が増え、しっかり利益が出せる」ということを心に留めておいてください。

包括型、定員10人」として試算

●表1~4で「収入」を確認

下記の表1~4までが収入です。

 

1.基本支援金の額です。このホームには障がい支援区分2の人が5人、3の人が5人入居しているものとしました。

 

障がい者グループホーム(介護包括型) 地上2階建 全10戸 併設短期入所0戸 稼動日数30日 稼働率100%

障がい者グループホーム(介護包括型)
地上2階建 全10戸 併設短期入所0戸 稼動日数30日 稼働率100%

 

区分2の人たちの支援金の額は

 

2920円×5人×30日=43万8000円

 

区分3の人たちの支援金の額は

 

3810円×5人×30日=57万1500円

 

5%の報酬減算があり、合計すると95万9025円となります。

 

2.基本支援金に加算される部分を計算します。

 

 

福祉専門職員配置等加算Ⅲとなり

 

1日40円×入居者3人×稼働日数30日=3600円

 

夜間支援体制加算Ⅰの区分2が

 

1日900円×入居者5人×稼働日数30日=13万5000円

 

夜間支援体制加算Ⅰの区分3が

 

1日1130円×入居者5人×稼働日数30日=16万9500円

 

となり、加算額の合計額は30万8100円です。

 

さらに処遇改善加算Ⅰが加算されて合計40万1867円となります。

 

3.短期入所はないので、0円とします。

 

 

4.入居者から支払われる金額です。

 

 

新築物件ということで家賃設定を4万円にしました。

 

家賃4万円+管理費1万800円+食費2万1600円=7万2400円

 

10人分として72万4000円となります。

 

1~4をトータルした結果、総収入は208万4892円ということが分かりました。

 

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安定した収益&社会的意義を両立 福祉施設経営のススメ

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岩崎 弥一

幻冬舎メディアコンサルティング

2012年の障害者総合支援法の制定により、障がい者が暮らす場所として「障がい者グループホーム」の数が増えることが期待されていましたが、供給率は障がい者の総数に対してわずか6%というのが実態です。そこには、あまり利益…

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