(※画像はイメージです/PIXTA)

障がい者グループホームは小規模なところが多く、収益が上がらない理由のひとつとなっています。また、「福祉事業で収益を出す」発想をよく思わない風潮もあり、それもビジネスの足枷となっています。しかし、「タダ働き」を半ば強制されるような仕事は、人員が集まらないばかりか承継も難しく、施設を必要とする人たちのデメリットでしかありません。ここでは事例をもとに、具体的な収支について探っていきます。

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「儲からない方法」を選んでも、誰も得しない

障がい者グループホームを運営する福祉事業者の形態は、現在のところ社会福祉法人やNPO法人(特定非営利活動法人)が多くなっています。株式会社として大きく展開しようとしている事業者もないことはありませんが、まだほとんどが小規模です。

 

 

そして世間一般の障がい者福祉にあまり縁のない人はいうまでもなく、福祉関係者ですらその多くが「福祉で金儲けをするなんて……」という意識をもっています。障がい者福祉関係者は清貧でなければいけない、お金を欲しがるなんてもってのほか、福祉でお金を儲けようとするのは障がい者を食い物にするようなものだ、という信念を抱いているかのようです。

 

しかし逆に私は「いつまでも儲からないやり方をしていて、誰にどんなメリットがあるのですか?」と尋ねたくなります。

 

まず事業者について、儲からない事業所では人件費負担が大きくなります。すると事業者はなるべく人件費を払わずにすむように、従業者を雇わず自分や自分の家族ですべての業務をこなそうとします。

 

率直にいえば「ただ働き」です。

 

事業者自身やその家族が納得しているのであればよいのかもしれませんが、「事業の継続」という観点からすると大問題です。

 

もしも中心的人物として福祉サービスの多くの部分を担っている事業者に、万一のことがあったらどうなってしまうでしょうか。入居者に対する福祉サービスが適切に提供されなくなり、入居者は次の入居先を探さなければなりません。事業者として入居者に著しい不利益を被らせることになってしまいます。

 

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岩崎 弥一

幻冬舎メディアコンサルティング

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