【関連記事】社会貢献と事業収益を両立する「障がい者グループホーム」経営
住民説明会の後は地鎮祭、そしていよいよ「着工」へ
住民説明会が終わるのを待って地鎮祭を行い、ようやく着工の運びとなりました。住民説明会が2回あったので、その分、予定よりも着工は遅れています。
さて、着工したらしたで、次にすべきことがいろいろ出てきます。その主なものが内装決めと食事決めです。
内装はクロスや床材の色や素材、ドアなどの建具をカタログから選んでいきます。コストとの兼ね合いがあるので、選ぶのは比較的容易でした。
それよりも食事決めのほうが手間はかかりました。入居者からもらう家賃に食費という内訳があるのですが、その範囲内でできるだけおいしいものを選ばなければなりません。
食事のパターンとしては、食材調達から献立決め、調理に至るまで自前でやるパターン、材料一式が毎日届けられて事業所で作るというパターンと、完成された料理を温めて出すというパターンの3つがあり、温めて出すパターンはさらに冷蔵(チルド)のものと冷凍のものに分かれます。
せっかくなので、自分たちですべて試してみることになりました。
「食事は自分たちで試す」…冷凍技術の進歩に驚き!
最初に候補から外したのは、食材調達からなにから自前でやるパターンです。
こちらはとにかく手間がかかります。買い物の時間もそうですが、献立決めという作業が非常に億劫です。家庭で食事作りをされている方にとっては想像に難くないと思いますが、この献立を決めるということに、けっこう頭を悩ませてしまい、それが生産性を落とす原因になります。しかも、グループホームでは1カ月の献立をあらかじめ決めておかねばならず、栄養バランス・原価など、さまざまなことを考慮して、1カ月の献立を決めることはほぼ不可能であると判断しました。
次に候補から外れたのは、届いた食材で調理して提供するパターンです。
こちらは献立決めの苦悩からは解放されますし、食材もあらかじめ決められた量やカット済みのものがほとんどなので、自前でやるよりははるかにラクで、家庭の強い味方となっている側面もあります。
しかしながら、私たちが危惧したのは、「スタッフの調理技術によって差が生まれるのではないか」ということです。365日稼働するホームでは、調理担当がずっと同じ人ということはありません。加えて、昨今の人手不足です。調理技術が一定以上必要というハードルを設けることは、採用戦略としても良くないと思い、「なるべく誰でもできる」ということを切り口に考えました。
以上のことを加味してたどり着いたのが「湯煎等の簡単な調理による提供」という選択肢でした。しかしながら、味に妥協してしまっていては元も子もありません。作業効率とクオリティを両立させるべく、さまざまな会社に試食品を依頼して比較検討していきました。
最終的にチルドと冷凍のどちらがいいかを比較検討することになったのですが、実は私たちは冷凍食品については懐疑的でした。メニューにも限りがあるんじゃないか、解凍したときにべちゃっとして味が薄くなるのではないか、と疑っていたのですが、意外や意外、おいしさに一同びっくりしました。
チルドよりも冷凍に軍配が上がり、量・味付け・値段で比較検討した結果、1社に絞ることができました。
杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>