障がい者グループホームの運営…「着工」から「稼働」までの取り決めと、その詳細 (※画像はイメージです/PIXTA)

企業として「グループホームを建てて運営事業者に貸す」ビジネスを展開するうち、蓄積したノウハウを活用して施設運営の当事者へと方向転換したある企業の取り組みから、障がい者福祉施設の開設実現までのノウハウと、現場で展開された実際の交渉を見ていきます。今回は、建設予定地の地域住民への説明会を終了し、いよいよ着工をスタートし、実際の運営にかかわる主要部分についてしっかりと詰めていきます。

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住民説明会の後は地鎮祭、そしていよいよ「着工」へ

住民説明会が終わるのを待って地鎮祭を行い、ようやく着工の運びとなりました。住民説明会が2回あったので、その分、予定よりも着工は遅れています。

 

さて、着工したらしたで、次にすべきことがいろいろ出てきます。その主なものが内装決めと食事決めです。

 

内装はクロスや床材の色や素材、ドアなどの建具をカタログから選んでいきます。コストとの兼ね合いがあるので、選ぶのは比較的容易でした。

 

それよりも食事決めのほうが手間はかかりました。入居者からもらう家賃に食費という内訳があるのですが、その範囲内でできるだけおいしいものを選ばなければなりません。

 

食事のパターンとしては、食材調達から献立決め、調理に至るまで自前でやるパターン、材料一式が毎日届けられて事業所で作るというパターンと、完成された料理を温めて出すというパターンの3つがあり、温めて出すパターンはさらに冷蔵(チルド)のものと冷凍のものに分かれます。

 

せっかくなので、自分たちですべて試してみることになりました。

「食事は自分たちで試す」…冷凍技術の進歩に驚き!

最初に候補から外したのは、食材調達からなにから自前でやるパターンです。

 

こちらはとにかく手間がかかります。買い物の時間もそうですが、献立決めという作業が非常に億劫です。家庭で食事作りをされている方にとっては想像に難くないと思いますが、この献立を決めるということに、けっこう頭を悩ませてしまい、それが生産性を落とす原因になります。しかも、グループホームでは1カ月の献立をあらかじめ決めておかねばならず、栄養バランス・原価など、さまざまなことを考慮して、1カ月の献立を決めることはほぼ不可能であると判断しました。

 

次に候補から外れたのは、届いた食材で調理して提供するパターンです。

 

こちらは献立決めの苦悩からは解放されますし、食材もあらかじめ決められた量やカット済みのものがほとんどなので、自前でやるよりははるかにラクで、家庭の強い味方となっている側面もあります。

 

しかしながら、私たちが危惧したのは、「スタッフの調理技術によって差が生まれるのではないか」ということです。365日稼働するホームでは、調理担当がずっと同じ人ということはありません。加えて、昨今の人手不足です。調理技術が一定以上必要というハードルを設けることは、採用戦略としても良くないと思い、「なるべく誰でもできる」ということを切り口に考えました。

 

以上のことを加味してたどり着いたのが「湯煎等の簡単な調理による提供」という選択肢でした。しかしながら、味に妥協してしまっていては元も子もありません。作業効率とクオリティを両立させるべく、さまざまな会社に試食品を依頼して比較検討していきました。

 

最終的にチルドと冷凍のどちらがいいかを比較検討することになったのですが、実は私たちは冷凍食品については懐疑的でした。メニューにも限りがあるんじゃないか、解凍したときにべちゃっとして味が薄くなるのではないか、と疑っていたのですが、意外や意外、おいしさに一同びっくりしました。

 

チルドよりも冷凍に軍配が上がり、量・味付け・値段で比較検討した結果、1社に絞ることができました。

 

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アルカスコーポレーション株式会社 代表取締役
南砺市商工会副会長

1964年、富山県生まれ。小学2年生から東京で育つ。
1988年に立教大学卒業後、大和証券に入社。
1990年から1993年の間、萩山教厳代議士、鈴木宗男代議士の秘書を務める。
1995年に岩崎建設株式会社を継ぎ、取締役に就任。1997年には同社代表取締役に就任。
2009年に社名をアルカスコーポレーション株式会社に改める。同年から南砺市商工会理事を務め、2018年副会長となる。

著者紹介

連載社会貢献と事業収益を両立…障がい者の自立支援を行う「グループホーム」経営

安定した収益&社会的意義を両立 福祉施設経営のススメ

安定した収益&社会的意義を両立 福祉施設経営のススメ

岩崎 弥一

幻冬舎メディアコンサルティング

2012年の障害者総合支援法の制定により、障がい者が暮らす場所として「障がい者グループホーム」の数が増えることが期待されていましたが、供給率は障がい者の総数に対してわずか6%というのが実態です。そこには、あまり利益…

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